J2福岡が退会の危機。財政難クラブが続出するJリーグの悪循環

週プレNEWS / 2013年11月3日 11時0分

サッカーJ2の福岡の資金繰りが悪化し、このままいけば12月には選手やスタッフへの給与遅配が発生しかねない状況だ。

クラブによると、この異例の事態は大口のユニフォームスポンサーがいまだ見つかっていないなど、今年度の営業収入が当初見込みを大幅に下回っていることが原因だという。実際に給与遅配が起これば、最悪の場合、クラブはJリーグ退会を迫られる可能性もある。福岡はどうしてこのような前代未聞の事態を迎えてしまったのか? サッカージャーナリストの後藤健生(たけお)氏が語る。

「サッカークラブの経営は、チームの成績に依存する部分が大きいのです。結果が出なければお客さんは入らないし、スポンサーも集まらない。ここ数年の福岡は残念ながらチームづくりがうまくいっていなかったので、収入の確保が大変だったのでしょう。それでも潤沢な資本金や内部留保があれば不足分を補えるのですが、福岡には財政的な基礎体力がなく、資金繰りが行き詰まってしまった」

福岡の危機が表沙汰になって以降、地元の個人や法人からの協賛金などの金銭的支援が急増しているという。だが、クラブが資金繰りの難局を乗り越えられるのか否か、まだまだ予断を許さない状況が続いている。

もっとも、苦しい経営を強いられているのは何も福岡に限ったことではない。

2012年度の収支が赤字だったクラブは、J2では福岡を含めて7つ。全22チーム中の約3分の1を占めるのである。そして、J1に目を移せば、数こそ5とやや少ないが、鹿島、横浜Fマ、名古屋といった歴史も実績もあるクラブまでが、その不名誉なリストに名を連ねている。サッカー専門誌編集者のA氏がこう話す。

「例えば横浜Fマは、親会社の日産から借り受けているクラブハウスの莫大な運営費が財政を圧迫している。だから、チーム強化と観客増を狙って大物選手を獲得したくとも、そこまで予算が回らない。できることなら日産の資金援助を仰いででもその資金をつくりたいところですが、クラブライセンスの問題もあり、これ以上負債を増やすのはタブーなのです」




となると、J1で優勝争いをしているクラブまでが慢性的な自転車操業を強いられる元凶は、皮肉にも各クラブの経営健全化を目指してリーグが定めたクラブライセンス制度にあるのではないか?

「Jリーグによるライセンス交付自体は悪いことではありません。問題なのは、14年度決算時点で3年連続赤字もしくは債務超過だったら交付を停止するなど、杓子定規に細かい足かせをはめようとするその運用の仕方。最低限の経営水準さえ満たしていたら、各クラブがどういう運営を選ぼうとかまわない。でも、その結果招いた事態についてはJリーグで尻ぬぐいはしません、自己責任ですよというスタンスでいいと思うのですが」(前出・後藤氏)

借金をしてでも自前のスタジアムをつくるなど、野心的なクラブがリスクを伴う挑戦をする一方、身の丈に合った経営で細く長くやっていく堅実なクラブもある――まったく異なる姿勢のクラブが同一リーグで共存しているのが、世界のサッカーの常識というもの。

「そうした自由を認めず、短期的な収支を尺度に一律管理しようとするから、低レベルのどんぐりの背比べになる。するとJリーグの停滞に拍車がかかり、福岡や横浜Fマのようなクラブばかり増えてしまうのです」(前出・A氏)

リーグを活性化したいのなら、2ステージ制やプレーオフの導入などより先に、Jにはまずやらねばならぬことがある。

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