外食産業では偽装が発覚しても「ごめんなさい」で済んでしまう

週プレNEWS / 2013年11月5日 10時0分

外食産業の偽装表示が後を絶たない。阪急阪神ホテルズに始まり、高級ホテルから老舗旅館まで、毎日のように日本全国で発覚している。

産地の偽装に、食材の偽装。いずれも、料理の価値を実際よりも高く見せ、消費者をだました悪質な行為だ。だが一方で、疑問も出てくる。なぜここまでいい加減なメニュー表示が、一流ともいえるレストランなどで許されてきたのだろうか。

こうした偽装事件が起きる背景を、一流ホテルにも野菜を納入している卸業者のA氏が次のように推察する。

「やはりガバナンスが不十分だったんでしょうね。私が取引しているホテルでは、食材を仕入れる購買部門と調理部門が完全に独立している。つまり、購買担当を通さないと調理場に食材は届かないわけで、ここがチェック機能を果たしているんです。

ところが、独立した購買部門が存在しないか、あるいは立場が弱い場合、食品を納入する業者と料理長が癒着しているようなケースも少なくない。そうなると、産地なんていくらでも偽装できますから」

関係者が全員、偽装を知っていたケースは言うまでもなく悪質だが、なかには「連絡ミス」という弁明もあった。だが、いずれにしても消費者をだましたという点では同じで、そのレストラン、ホテルなどにおけるチェックシステムが不完全であったことは間違いない。

食の安全に詳しいジャーナリストの椎名玲氏は、こうした体質の問題に加え、外食産業全体の傾向にも問題があると語る。

「なかには自主的に厳しくしているところもありますが、一般論として、外食産業は産地表示に対する考え方が甘いんです。それは一流ホテルでも同じ。なぜなら、スーパーなどの小売店には食品の産地表示について定めたJAS法がありますが、外食は厳密な表示義務がないからです。そのため、産地偽装が発覚しても罰金もなく、基本的には『ごめんなさい』で済んでしまうんです」

表示義務もなく、罰金もなし。つまり、外食産業で偽装は“よくある話”ということだ。大々的に報道されれば社会的な制裁を受けることになるが、バレなければやってしまう。結局は企業モラルの問題なのだ。

(取材/頓所直人、コバタカヒト[Neutral])

■週刊プレイボーイ46号「中国食品『偽装&ステルス混入』の舞台裏」より

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