楽天・アマゾンの牙城を崩せるか? ヤフーショッピングが“0円作戦”を仕掛けた理由

週プレNEWS / 2013年11月6日 10時0分

10月7日、孫正義ヤフー会長はネット出店者らを集めた説明会で、「eコマースに革命を起こします!」と宣言した。

その内容とは、ヤフーショッピングの「初期費用無料」「月額固定費無料」「売り上げロイヤリティ無料」。ECサイトでは常識の経費がすべて無料という、まさにeコマース業界の革命と呼ぶにふさわしいものだった。

ヤフーは現在、楽天とアマゾンに大きく差をつけられている。2012年度の3社の流通シェアと流通額を比較すると、楽天がシェア28.8%(約1兆4465億円)、アマゾンがシェア12.4%(約7300億円)、一方のヤフーはシェア6.2%(約3082億円)に留まっている(※アマゾンの流通額は非公開のため、額は売り上げ)。

ヤフーがここまで劣勢となっている原因は、eコマース業界の構造にある。eコマースコンサルタントとして活躍している坂本悟史氏(コマースデザイン代表)が説明する。

「最初にアマゾンと楽天の違いについてお話ししましょう。アマゾンの基本は自社で仕入れたものを売る直販です。そして、もともとは本屋さんでしたが、自分の店の商品を広げながら、古本や本以外の商品などの出店者を募ってきました。アマゾンをわかりやすく言うと自販機です。欲しいものが安売りされているため迷う時間が少なく、ワンクリックでスパッと買えます。

楽天はその真逆です。サイトを見てもらえればわかりますが、商品の写真が大きく、説明が長い。背景にあるのは、高級品やノーブランドの品でも、しっかり説明して安心してもらうことで購入につなげようという狙いです。また、ノーブランド品を売る人は楽天内で販売実績が作れれば、“楽天で人気の商品”などと、リアルの宣伝に転用できるメリットもあります。一方、デメリットは出店費用の高さ。アマゾンが手軽な自販機なら、楽天はセールストーク命のテレビショッピングですね」

そして現在は、出店者が多かった楽天が直販比率を高めてきて、またアマゾンも出店者を募ってきている。2社の形態が少しずつかぶってきているという状況なのだ。

では、なぜヤフーはこのeコマース業界で負けていたのか? 坂本氏が続ける。

「同じ商品を検索してもヤフーより楽天やアマゾンのほうが買いやすい。なぜなら、一度、住所やクレジットカード番号を登録してあるので、購入が簡単だからです。今のユーザーは楽天かアマゾンで買うという習慣が身についてしまっているんです。一方、ヤフーは“楽天もどき”と揶揄されるほど似ていますが、だからこそ“楽天から乗り換えたくなる便利さ”がありません」

独自色の無かったヤフーがシェアを獲得するには、訪れる人を多くしなければならない。そのためには品揃えが豊富でなければならない。すなわち出店者が多くなければならない。ヤフーの“革命”が、楽天とアマゾンの牙城を崩すことができるのか――、eコマース市場が活性化するのは確実だ。

(取材/村上隆保)

■週刊プレイボーイ46号「ヤフーが仕掛けるネットショッピング革命“0円作戦”の本当の狙いはコレだ!!」より

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