ミクシィもグリーも業績不振で大リストラ。国産SNSはどこへゆく?

週プレNEWS / 2013年11月14日 10時0分

ミクシィにグリー、飛ぶ鳥を落とす勢いだった国産SNSが苦しい状況に追い込まれている。

グリーが今年8月に発表した2013年6月期の連結決算によると、1年間の純利益が53%減の225億円と大幅にダウン。さらに11月5日には、コストカットの一環として打ち出した早期退職に募集人数の200人より多い205人が手を挙げたと発表している。

ミクシィに至っては、10月23日に同社社員による告発とされる、「オレンジなソーシャル会社の大規模リストラ」と題された書き込みが、ある匿名ブログに投稿された。オレンジといえば、ミクシィのコーポレートカラーだが、そこには「とても静かなリストラの幕開け」との言葉がある。内容は、社員約30人が突然、配置転換を言い渡され、自主的な退職を促うながす“追い出し部屋”のような部署に追いやられているというものだ。

両社で何が起こっているのか。まずはミクシィについて、ブロガー・投資家の山本一郎氏が、同社内部から漏れ聞こえてきた話を交えて状況を分析する。

「ミクシィ側は『リストラではない』と、あるニュースサイトの取材に答えていますが、社員は異口同音に『上層部が使えないと判断した人員に対する事実上の指名解雇だ』と話していて、社内は非常にお寒い雰囲気になっているそうです。さらには、今後50人程度の追加リストラがあるという説明があったようです」

それほど、経営状態が苦しいということか。

「何しろ13年の通期予想は大幅下方修正の果てに赤字転落見込みとなりましたので、100億円以上のキャッシュは残しつつも、黒字転換を是が非でも進めていかなければならないという経営陣の強い意志を感じます」(山本氏)

一時期、SNSといえばミクシィ、という時代もあり、むしろ日本にSNSを定着させたのはミクシィだったはず。それがなぜ、こんなことになってしまったのか。

「単純に、SNSに対する飽きがユーザーの間に広がり、さらにサービス内容や機能の改悪が重ねて行なわれ、ユーザーの利用頻度が下がったのが原因です。テコ入れのために実施されたミクシィゲームのようなサービスも、初期は『ブラウザ三国志』『サンシャイン牧場』のようなヒットに恵まれましたが、その後は鳴かず飛ばずの状態になりました」(山本氏)

その間に、フェイスブックが台頭し、メッセージ機能はツイッターに取って代わられた。

一方のグリーも、サービス開始当初はミクシィ同様、SNSを前面に打ち出しつつ、『探検ドリランド』などのソーシャルゲームの爆発的ヒットで急成長してきた。

そのグリーに何があったのか。 ゲーム業界に詳しいライターの田下広夢(たおり・ひろむ)氏に聞いた。

「これまでグリーはフィーチャーフォン(ガラケー)向けのゲームでヒットを出しており、あるタイプのゲームが売れたら、似たようなゲームを増やすというやり方で、ゲームの開発費はとても低く抑えられていた。それがスマホに代わっていくなかで、ゲームの開発費が増大し、利益率が下がってしまったんです」

そこで、他社と比べて高コスト体質だった人件費の削減は避けられなかったわけだ。ただし、そこに難しさがあると田下氏は語る。

「今回の希望退職は管理部門などからで、ゲーム作りに必要な開発部門の人員はリストラしていない。しかし、リストラを始めるような会社にとどまりたいかどうか。優秀な人ほどほかに移るのでは」

こうした両社の現状を見るにつけ気になるのは、『モバゲー』のDeNA。大丈夫なのだろうか。

「もともとコンテンツの調達や原価計算が丁寧な会社で、経営面では底堅い哲学が根づいた企業であるように感じられます。今のところ、ミクシィやグリーのような流行が過ぎて右往左往するような雰囲気はありません」

前出の山本氏はそう語るが、今後もずっと安泰かというと、そうでもないという。

「主力のプラットフォーム事業が成長鈍化から低迷、減収基調が強くなると、遅かれ早かれリストラ着手の可能性は否定できません。要するに、コンテンツ業界はどのように経営が優れていようとヒット作の有無で大きくバランスが変わるということです」(山本氏)

つまり、グリーやミクシィにも、まだまだ巻き返しのチャンスはたくさんあるってわけだ。

(取材・文/頓所直人)

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