創成期を知るフリーク4人が語りつくす“痛車”愛「恥を超え、理想のオンリーワンに!」

週プレNEWS / 2013年12月7日 6時0分

「うたまる」という猫のキャラを貼るはずが、業者の勘違いで歌丸師匠に……だが話題となり師匠も公認!

車の世界の中でも異彩を放つ“痛車”。アニメの絵などがでかでかと貼られたインパクトは抜群で、認知度もかなり一般的に……。

その創成期を知る痛車フリーク4人が、進化しすぎてトンデモないことになってる痛車ワールドの深~い魅力を語り尽くす!

■キャラに対する愛情がここまでさせるんです!

―痛車評論家・ドラゴン山崎さんの呼びかけで痛車仲間の方々にお集まりいただきました! まず、皆さんの痛車との出会いは?

ドラゴン山崎(以下、) 僕は自動車関係のライターなので、もともとは痛車のウオッチャーだったんです。それで偶然ご縁があった方が、当時話題の『ストライクウィッチーズ』というアニメの制作に関わってたので、協力してもらって痛車を作りました。

村本(以下、) 僕は車好きが集まるイベントで痛車を見て「なんだあれ!?」って衝撃を受けまして。じゃあ自分も貼ってみるかって思ったんです。僕は『サザエさん』の穴子(あなご)さん役でおなじみの若本規夫(のりお)さんのファンなんですが、彼が演じている『ニニンがシノブ伝』の音速丸っていう黄色の生き物のキャラクターが大好きで。

ちょうど愛車も黄色だったんで「それに目と口をつけたら音速丸に見えない?」と知人に言われて実際にやってみたんです。痛車はその作品の絵を貼ることが多いんですけど、車をキャラそのものにしてしまったのが当時は周りにけっこうウケましたね。

―へー! そういうスタイルの痛車は王道なんですか?

山村(以下、) 僕も村本さんときっかけは一緒。イベントでベンツにベタベタとシールを貼ってるのを見て「うわ、痛いなー!」と思って(笑)。でも僕はそんなにアニメとか詳しくないんで、どうしようかなと思ってたとき、出張で行った品川駅でSuicaのペンギンを見たんです。「あ、コイツだ!」と。

当時の痛車は今みたいにシートに絵をプリントして貼るんじゃなく自分で絵を手描きして、カットして貼るという感じで作ってる人が多かったんです。だから自分もシートを切り貼りしてペンギンを作ったのが始まり。

水谷(以下、)僕はこういう人たちから痛車施工の注文を受けてる看板屋です。

―まさに皆さん、創成期から知り尽くす“痛車のプロ”! 最近はクオリティの高いアニメ絵が増えてますよね?

 あそこまでやれるのは、やっぱり車の曲面にも貼れるステッカー素材が出てきたのがでかいです。そのおかげで車をフルでラッピングできるようになりましたから。

 立体的なキャラの装飾を痛車に施す人も出てきてますよ。キャラをプリントしたシートを貼ってるのが二次元だとしたら、金属の板を使って凹凸のある三次元のキャラを作っちゃってる。

 あれは相当の根気と努力がいると思います。やっぱりキャラに対する愛情がそうさせちゃう。

 だから僕みたいな痛車を施工する側もスゴく神経を使うんです。こだわりがハンパないから、絵の顔をどの位置に入れるかでモメるし、レイアウトはパソコン上で1mm単位で動かしながら決めてますよ(苦笑)。

―ご苦労されてますね(笑)。

 痛車の進化で言うと、僕の知人に軽自動車を『ひぐらしのなく頃に』というアニメの世界観にしちゃった人もいますね。人がいっぱい死ぬミステリー系の作品なんですけど、その痛車のトランクを開けると血だらけの腕が転がってるんです。

―すみません、ちょっと意味がわからないんですけど……(汗)。

 マネキンの腕をさらに加工して、肉がちぎれてる感じに見えるヤツがぼろっと置いてある。しかも赤いペンキをかけて血のりみたいにした白い布がぶらさがっててね。本気の怖いやつです(苦笑)。

―痛車の範疇(はんちゅう)を超えてるんじゃ……警察に車内チェックされたら一発アウトでしょ?

 それが車の外装も血だらけにしてるから通報されるのが日常茶飯事らしくて。警察の人とも顔見知りになってるみたいです(笑)。

―お騒がせすぎです!

■恥を超え理想型の“オンリーワン”になる!

 あと、車のキーを回したり、ドアを開けるとキャラの声でしゃべる仕様にしてる人もいますね。キーを回したら「イクよ~!」みたいなキャラの声がするキットがあるんですよ。

―それはカワイイかも!

 いや、でもアレをやるとエンストしたときにかなり恥ずかしいんだって。友達がまさにそれをやってるんだけど、道路上でエンストしたときは、青信号になってかなり焦ってるのにキャラがずっと「イッちゃいますよ~」ってしゃべってるという(笑)。

―イケないのに~ツラい!

 “音”の話で言うと、宣伝車レベルのオーディオシステム搭載して注目されてる人もいるよね。最新機器でアニソンをガンガンかけて「どっかでライブやってんの?」って思うくらいだもん。

 車内にモニターを20個くらいつけて、エロゲーのオープニングをずっと流してる人もいたり。

―もうすべてにおいて痛い!

 まあ、ラッピングにしても設備にしても、痛車にはカーカスタムの最先端技術が詰まってるんですよね。いろいろな機材を見つけてきては、これをどう応用できるかって、みんなあれこれ考えてる。

―いや、こだわりがスゴすぎてちょっと理解不能(苦笑)。最後に根本的な質問ですけど、アニメ絵をでかでかと貼ってる痛車って、ぶっちゃけ一般人にはカッコよくないじゃないですか。なのに、なんで堂々とやれちゃうのか……?

 最初はね、ちっちゃいステッカーをペタっと貼るところから始まるんですよ。そこから少しずつステッカーの数が増えていくんです。そんななかで痛車イベントに行って、自分の大好きなキャラがそれはもう美しい姿で車に貼られてる姿を見ちゃうと「ああいうのが欲しい!」ってやっぱり思うんですよ。そこから愛情が恥を超えたときに「もうデカく貼っちゃおう!」と(苦笑)。

 そうなるとどんどんエスカレート。見られる快感も出てくる。

 だから痛車って、デカいプラモデルを作ってる感覚かも。色や部品を変えたり、自分の理想型にどんどん近づけていくっていう。

 それに車は人間の能力を拡大させるガンダムの「モビルスーツ」みたいなもんだから自分専用のマーキングをしたくなるんだよ。

 そう、シャア専用の“赤ザク”みたいに(笑)。

 そもそも車って外装も内装も設備もいくらでもカスタムできるから自分だけの“オンリーワン”を作りやすいってことだよね。

(取材・文/short cut[岡本温子、山本絵理] 撮影/五十嵐和博)

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