2014年度税制改革のポイントは「個人よりも企業優先」

週プレNEWS / 2014年1月29日 10時0分

昨年12月、自民党と公明党は2014年度の与党税制改正大綱を決定した。その内容は企業に手厚く、家計は置き去りというもの。取りやすいところから取る、という与党の姿勢が表れている。

その代表が、唯一の低所得者層救済策だった「軽減税率」の導入が先送りとなったことだ。

軽減税率とは、低所得者の税負担を軽減するため、食料品や医療品など生活必需品に対してかける、標準税率より低く抑えた税率のこと。

日本の消費税に当たる付加価値税が、日本に比べて高いとされるヨーロッパ諸国では、生活必需品には軽減税率が適用され、バランスをうまく保ちながら低所得者層を守っている。

例えば、付加価値税が20%のイギリスでは、食料品や水道水、書籍の税率は0%。19.6%の付加価値税がかかるフランスでも、医療品や新聞は税率2.1%まで下げて設定されている。

軽減税率は品目ごとに決めなければならないため、今世界で主流となっているインボイス(税率・税額を記す伝票)方式ではなく、税込価格のみを記す帳簿方式の日本では導入が難しいとみられてきたが、自民党も公明党も表向きは軽減税率は不可欠と主張してきた。

ところが、今回決まった与党税制改正大綱では先送り。今年4月の消費増税時ではなく、「消費税10%時に導入する」としたものの、それが10%への再増税と同時なのか、それとも引き上げ後の「いつか」なのかは、あいまいな表現でごまかした。

自民党の中には、社会保障の財源を確保しつつ、同時に財政再建も進めていくには、消費税を10%からさらに引き上げなければならず、「標準的な消費税を15%にできれば、軽減税率を10%にしてもいい」と考える議員も少なくない。財務省や厚生労働省もこれに同調するだろう。

日本が、生きていく上で欠かせない食料品などが世界で最も高い国となる日はそう遠くなさそうだ。

その一方で、復興特別法人税だけは予定より1年も早い今年度末に打ち切り。省エネのための生産設備を導入した企業への法人減税額は3520億円にも上る。

「企業の負担を軽減し、儲けを増加すれば、従業員の賃上げに回り、景気回復につながる」という理屈だが、順番が違わないだろうか。

政府は昨年12月24日、与党税制改正大綱と同じ内容で2014年度の税制改正大綱を閣議決定。25日には、社会保障費4.8%増、公共事業費12.9%増、防衛関係費2.8%増、文教・科学振興費1.4%増など、過去最大となる96兆円の政府予算案も決定した。予算の大盤振る舞いだ。

水道の蛇口を全開にしたまま節水しようともせず、ポンプ全開でわずかに残った水を弱った国民から吸い上げる。それが、今のこの国の姿なのだ。

(取材・文/宮崎俊哉 渋谷 淳 山田美恵 中島大輔)

■週刊プレイボーイ6号「総力特集12P 消費増税からお財布を守れ!」より

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