都政のパンドラの箱、“新銀行東京”はどうなったのか?

週プレNEWS / 2014年2月6日 14時0分

「原発に賛成か反対か」「東京五輪をどう盛り上げていくか」それももちろん大事なことだ。しかし、東京都政には深刻な問題がほかにも山積している。

そのひとつが石原慎太郎元都知事の公約により、2004年に設立された「新銀行東京」。一般の民間銀行から貸し渋りされていた中小企業を救済すべく積極的に融資を行ない、ピーク時には5000億円から6000億円と、小規模な地方銀行並みの貸出金を積み上げた。しかし、次第に大量の不良債権を抱えるようになり、その処理には都民の税金がつぎ込まれた。

経済ジャーナリストの須田慎一郎(すだ・しんいちろう)氏がこの問題に言及する。

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東京都が出資する新銀行東京のコントロールセンターは都庁にあり、都の職員、つまり役人が実質的な経営を取り仕切っていた。銀行経営どころか民間企業の経営についてもド素人の連中がやってきたわけだから、大失敗に終わったのは当然といえる。

問題は、この銀行の融資に怪しい点が多々見られることだ。元行員が持ち出した資料を見ると、どうやら東京都議会議員の口利きによる融資が、自身の選挙の支持基盤となっている中小零細企業に行なわれ、キックバックなどもあったのではないかと思われる。

そんな口利き融資がきちんと返済されるはずもなく、不良債権は見る見る膨らんでいった。結果的に、都民の税金を数百億円投入するハメになったのだ。

東京各地にあった営業店舗はコストカットのために整理され、今では西新宿の本店のみ。問題が噴出した当時は経営破綻してもおかしくないといわれていたが、経営主体である東京都は、なまじ東京都民の税金という巨大な“補填機能”を持っているから潰すに潰せない。猪瀬直樹前都知事も、基本的にこの問題を本気で取り上げることなく放置してきた。

専門家の間では、最終的には回収できない貸出金が出て、1000億円を超える額の負担が再び都民に生じるといわれている。

ではなぜ、この問題が都知事選の争点として浮上してこないのか。それは、おそらく利害関係者――ここにメスを入れることで、傷を負ったり返り血を浴びる人が山ほど存在するからではないか。いうなれば、新銀行東京は都政におけるひとつの“パンドラの箱”なのかもしれない。

(構成/頓所直人)

■週刊プレイボーイ7号「なぜか争点にならない東京都政『本当の闇』」より

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