再稼動される原発は、最終的に20基になる!

週プレNEWS / 2014年4月24日 6時0分

4月11日、政府が閣議決定した「エネルギー基本計画」は“原子力ムラの復活”を象徴する内容となった。

「原発は重要なベースロード電源」と位置づけ、将来的な原発依存率は示さず、「規制基準に適合した原発は再稼働を進める」とも明記。以前から「ベースロード電源」という表現にこだわっていた電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)も、「方針は大変意義がある」と満足げな様子だ。

さて、そこで気になるのは原発再稼働の行方。現時点で原子力規制委員会には10原発17基の再稼働申請が届いている。最初の再稼働はいつになるのか? その後の予定は? 原発問題に詳しいTBSラジオニュース情報部・崎山敏也記者に話を聞いた。

「規制委員会の審査が真っ先に下りるのは鹿児島県の川内(せんだい)原発1、2号機です。ここは地震の最大の揺れや津波の最大の高さが想定可能ということで、委員会も優先的に審査すると発表していました。おそらく6月中には安全審査に合格するでしょう」

では6月中にもまず川内原発が再稼働される?と思いきや道のりはまだ残されている。安全審査に合格後、地元自治体の運転再開への同意、その後、政府が運転再開の判断をして初めて再稼働となるのだ。

地元自治体の同意というポイントが、再稼働にあたっての高いハードルになるかもしれない、と崎山氏は解説する。

「川内原発については、鹿児島県の伊藤祐一郎知事が、原発立地自治体の薩摩川内市と隣のいちき串木野(くしきの)市に限って説明会を行なうという方針で、その他周辺の自治体の不満が募っています。県がそうした自治体の同意を取りつけるには少なくとも3、4ヵ月の期間がかかるでしょう。

九州電力は川内原発について、この夏の再稼働を目指してきましたが、難しいと思います。そもそも原発の増設や再稼働において、地元の同意を得なければならないという法律上の義務はありません。しかし、こと原発においては地元住民の声が強い力を持つのです。住民の同意が得られず、ウチは原発がなくてもやっていける、などの主張が相次げば、再稼働を妨げる力になる。函館市が起こした大間(おおま)原発訴訟も少なからず影響をもたらすでしょうね」

原発が事故を起こしたときの防災・避難対策が必要な地域は、福島原発事故後に拡大された。すると対策が義務づけられる市町村は全国で、45から135に増えることになる。それらの自治体から今後、再稼働や原発建設の同意を得る必要はあるのか? 原発の地元とはいったいどこからどこまでなのか? そうした議論は今まさに始まったばかりなのだ。

とはいえ、電力会社や政府にとって、今回のエネルギー基本計画は原発再稼働の大きな後押しになる。川内に続く今後の再稼働の動きを、崎山氏が再び解説する。

「昨年7月、いち早く再稼働申請を行なった原発は高浜・大飯(おおい)・伊方(いかた)・川内・泊の5ヵ所でした。安全審査が進んでいるのもこの5ヵ所です。しかし規制委員会は活断層の問題に極めて慎重です。調査員の数は90人程度で、手が回らない。来年中にすべてが再稼働に行き着くのは難しいと思います。

しかし、現在48基ある原発のうち、最終的には20基くらいの原発が再稼働されるでしょう。残り28基の半分以上は、運転寿命の40年に近づいた原発も多く、古くなった原発に安全設備の投資を行なうのは割に合わず廃炉に向かうと思います。福島の事故以前より縮小するとしても、原子力ムラは今後も存続し続けるのでしょうね」

20基という多さに驚くが、やはり今回の基本計画から感じるのは、政府の再稼働への強い意気込みだ。

(取材・文/長谷川博一)

■週刊プレイボーイ18号「原発再稼働はいつになる?」より

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