福島市の小中学校プールが放射線管理地域並みに汚染されている!

週プレNEWS / 2014年7月31日 6時0分

福島市の公立学校の野外プールの表面汚染がヒドイ。一度、取材してほしい

福島市内在住のA氏(50代)からこんな情報提供があったのは、6月下旬のこと。

市内のある小学校のプールサイドは、2度の除染を終えた後でも1400cpmが測定されました。福島市の除染管理基準では、駐車場や庭石を600cpmまで下げるようにしています。つまり、車を置く場所より2倍以上放射能汚染された場所で、子供たちが裸足や水着姿でプール授業を受けているのです。協力者の支援を受けて測定したところ、同じようなプールサイドはほかにもありました」

A氏が汚染の根拠とするのは、昨年6月に福島県と環境省が市内の小学校と高校で放射線測定をしたモニタリングデータ。それを見るとプールサイドの複数箇所で1400cpmが測定された。

さらに、いまだプールが再開できないでいる市内のある県立高校を昨年5月に環境省が測定したところ、同じくプールサイドで2500cpmという高い表面汚染が確認されたこともわかった。

「表面汚染」は、空間線量と違って聞き慣れない言葉だ。物体表面に放射性物質が付着していることを指すが、1400cpmという数字はどう評価すればよいのだろうか。

神戸大学大学院海事科学研究科の山内知也教授は、「放射線管理区域から持ち出せないレベルの汚染」だと説明する。

「1000cpmは、およそ4ベクレル/平方センチメートル。放射線管理区域から持ち出せる表面汚染限度がこの数値なので、1400cpmはそれ以上。自然界にある放射線を考慮しても、基準値超えの可能性は高いでしょう」

つまり、本来であれば、一般人が立ち入れないほどの高い汚染度ということだ。危険はないのか?

「汚染がセシウム137であれば、4ベクレル/平方センチメートルの汚染源に接触した皮膚が受ける皮膚吸収線量率は、毎時5・73マイクロシーベルト。単純計算では年間50.2ミリシーベルトとなり、公衆被曝爆限度の年間50ミリシーベルトを超えてしまいます(※一般公衆の実効線量当量の年間被曝限度は1ミリシーベルトだが、ここでは組織線量当量を指す)。

対策としては、児童が肌を露出するプールサイドは600cpm以下にすることが必要です。庭石や駐車場、外壁、ベランダなど、靴などを履いて接する場所の除染管理基準が600cpmであるのなら、学校プールがそれよりも汚染されている状態を放置すべきではありません」(山内教授)

福島第一原発事故があった2011年の学校プール授業は中止されたが、問題は翌年からだ。市や県は除染で放射線量が下がったとして、ほとんどの公立学校でプール授業が再開された。

だが実際には、プールはまだ汚染されていた。今年5月、市が全小中学校71校のプールサイドを測定したところ、13校のプール水からセシウムが検出された(最大2.93ベクレル/kg、矢野目小学校)。なかには、半減期を過ぎたはずのセシウム134が検出されたプール(笹谷小学校)もあった。

これらの学校では今の時期、毎日のようにプール授業が行なわれている。市教育委員会では、汚染され続けていることを把握しているのに、こうしたデータでさえ一般に公表していないのである。

A氏は、2012年から市や県に対し、学校プールの表面汚染が深刻な状態にあると訴え続けてきた。きちんとした測定と数値の公表をした上で除染をし、子供たちの被曝量を可能な限り少なくすることを求めたのだが、教育委員会は一向に聞く耳を持たないという

しかし、学校プールの放射能汚染は福島市だけではない。南隣の郡山市では、7月下旬に公営プールを利用した小中学校の水泳競技交歓会が開かれる。だが、県教組がプール施設のある公園内の放射線量を測定したところ、空間線量が毎時1マイクロシーベルトを超えるホットスポットが10ヵ所近く見つかった。県教組郡山支部では、市教委に「子供が放射線量の高い場所に長時間いないようにしてほしい」と要望を行なっている。

また、福島市の東に位置する伊達市の小国小学校では、2012年11月に市民団体が敷地外からプールサイドのコンクリートを測定したところ、毎時3マイクロシーベルト超を記録。今年7月中旬の本誌の測定でも、0.5マイクロシーベルトほどを示した。

福島の学校のプールが完全に除染されたと安心できる日は、いつになるのだろうか。

(取材/桐島 瞬 取材協力/有賀 訓)

■週刊プレイボーイ32号「福島市の小中学校プールは放射線管理区域並みに汚染されている!!」より(本誌では、福島市教委に直撃した一問一答も収録)

 

 

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