中ロが共同で日本海に巨大港建設、米軍が守ってくれない自衛隊は戦力を2倍にできるのか?

週プレNEWS / 2014年10月29日 6時0分

東シナ海、南シナ海に続き、中国がいよいよ日本海へ進出しようとしている!

ロシアの『ノーボスチ通信電子版』および中国の『人民日報電子版』によると、ロシアと中国は日本海沿岸の中・ロ・北朝鮮の国境付近(ロシア領内)に、年間6000万tもの貨物を扱う北東アジア最大の港を共同建設することで合意した。

報道内容から推測すると、場所はかつての満州国とソ連の国境付近に位置するポシェット湾と見て間違いない。この港の建設にはどんな意味があるのだろうか?

まずロシア側の事情について、在米の国防戦略コンサルタント・北村淳(じゅん)氏はこう分析する。

「ロシアは近い将来、対米海軍の圧力として各種潜水艦戦力を復活させるとみられていますが、その配備先は日本海ではなく、カムチャツカ半島になるはず。日本海の港に関しては、軍事的理由より経済的理由のほうが大きいと思われます。ポシェット湾に巨大な不凍港を手にすれば、シベリアから出る石油、天然ガスなどの輸出が非常に便利になりますからね」

一方、中国のほうはもう少し話が複雑だ。

現在、中国は朝鮮半島より西側にしか大規模な港湾拠点を保有していない。貿易船や漁業船にしろ、海軍艦艇にしろ北太平洋や北米までの最短航路となる「日本海ルート」を通るには、対馬(つしま)と津軽というふたつの海峡を通過する必要がある。

しかし、もし朝鮮半島より東側のポシェット湾に巨大な港を確保できた場合、津軽海峡さえ通過すれば、そこは太平洋、そして北米への最短ルート。中国の海洋戦略は非常に柔軟なものになるのだ。

しかも、中国にはこの「日本海ルート」の確保を急がなければならない理由がある。これまで強引な手法で覇権の確保を進めてきた南シナ海で、沿岸諸国による“中国包囲網”が敷かれ始めているからだ。

中国の海洋戦略に詳しい軍事ジャーナリストの古是三春(ふるぜみつはる)氏はこう解説する。

「最近、ベトナムとインドネシアが、相次いで『キロ級潜水艦』を購入しています。これは中国が持つ同級潜水艦より新型で、性能も高い。ちなみに、ベトナムに潜水艦の運用や救難・医療技術を提供しているのはインドと日本。そして、インドネシアと合同演習をしているのはアメリカです。明らかに各国が対中国を意識し、戦略的に連携しているわけです」

ベトナムやインドネシアが単独で中国と対等に渡り合うことはできなくても、アメリカや日本、インドが加わった“包囲網”なら話は別だ。中国から見れば、南シナ海という重要なシーレーンに黄信号がともり始めたことになる。そこで、一刻も早く北側の「日本海ルート」を確保し、リスクを分散しておきたいーーというわけだ。

実際問題、中国が日本海に軍事拠点を確保することは日本にとってどのくらいイヤな話なのだろうか? 前出の古是氏はこう警告する。

「中国は、日本海にまず潜水艦を置いて足がかりとしたい。現在、海上自衛隊は東シナ海に定置ソナーを大量設置し、中国潜水艦を監視していますが、今後は日本海へも大量投入する必要が出てくるかもしれません。ちなみに、このソナーの部品はロシアから輸入しています」

またロシア! 東アジアの対立を煽(あお)って、どっちに転んでも丸儲け。さすがプーチン、本当に抜け目ない。

そして、東シナ海や南シナ海の前例から考えれば、潜水艦で足場を固めた後は、“漁業監視”を口実にした中国公船、さらに軍艦が次々と出現することになるはずだ。

「日本海に対地攻撃用長距離巡航ミサイルを搭載した駆逐(くちく)艦などがウロウロし始めると、事態はかなりやっかいです。これまで日本にとって“裏庭の池”だった日本海も、東シナ海と同じように警戒する必要がある。海自の戦力を約2倍に増強しなければ対応できないでしょう」(前出・北村氏)

とはいえ、日本の財政状況では、自衛隊の装備を大幅増強することなどまずムリ。日米同盟の“親玉”である米海軍は、対中国監視に力を貸してくれないのだろうか?

「米軍は近年の相次ぐ予算削減で余裕がなく、自分の国は自分で守ってくれというスタンス。日本海側で日本に対する脅威が出現するというシナリオについては、無関心に近いというのが実情です」(北村氏)

現在の自衛隊の戦力のみで、果たして日本海を守り抜けるだろうか?

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング