俺の趣味! 第5回 藤原喜明 陶芸を語る!「趣味を極めるにはしつこく執念深い性格が求められる。俺みたいに(笑)」

週プレNEWS / 2014年11月13日 15時0分

陶芸を始めて約20年、作品数は3千点を超えているという

全67巻&エクストラ号を刊行し187万部の大ヒットを記録したDVDマガジン『燃えろ!新日本プロレス』の冊子コンテンツから、プロレスラーの意外な一面を掘り下げた「俺の趣味!」を復活公開!

“関節技の鬼”藤原喜明は趣味の鬼! マルチな才能を持つ組長が長年取り組んでいる陶芸。その作品は、もはや趣味の枠を超えている――。

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昔から趣味が多くてね。イラスト、盆栽、浪曲……浪曲は広沢虎造を一席唸(うな)って、上野の本牧亭(ほんもくてい)を超満員にしたもんです。エッセーや小説も書くし、ピットブルの飼育も楽しかったね~。でも、ここ20年くらい続いてるのは陶芸ですね。藤原組をやってた頃から始めて、作品数はかれこれ3千点は超えてる。

きっかけは、ある陶芸家から粘土をいただいたんだよ。子供の頃から粘土細工は好きだったから、まずは手びねりで粘土をこねて焼いてみたら、我ながら筋がいい(笑)。それから、ろくろとか窯(かま)を作業場に揃えていった。

実用的なものが好きで、蕎麦ちょこ、徳利(とっくり)、片口、なんでも作りますよ。釉薬(ゆうやく)で色は付けるけど、絵を入れたりするのはきれいな体に墨を入れるようなもので俺は好きじゃないね。でも、真面目な物を作ってると遊び心も芽生えてきてさ。「女風呂シリーズ」というんだけど、盃(さかずき)の中に入浴してる裸の女の人形を付けたのがあってね。猪木さんにも差し上げたら、「オッ!」て喜んでたよ(笑)。

数年前、怪獣人形を作ってる社長さんから「ゴジラも焼き物で作れないか?」と聞かれて、徹夜で取り組んだよ。背びれの数もぴったり揃えてね。ただのゴジラじゃ面白くないから、頭を外せるようにして中にスティック型のお香を入れられるようにしたんだ。口から煙を吐くゴジラ! イケてるだろ?

もともと手先が器用だったし、工業高校時代も応用力学と機械工作と体育は成績が5だったんだよ。関節技の原理を知るとか、どこに穴を開けたらゴジラの煙が出るかとか、そういう知識は高校の授業が役立ってるね。宮本武蔵だって絵を描いてたでしょ。趣味を極めていくのは関節技の習得と同じでね、器用でしつこく執念深い性格が求められるように思う、俺みたいに(笑)。

目を肥やすことも大事だから作品も買わないと。そこにある茶碗なんて80万円以上するんだよ。その上で、趣味でも金を稼いだ方がいいね。雑誌でレスラーのイラストを描いてた頃は結構なギャラをもらってたよ。たとえ1円でも稼げるくらいにならないと趣味とは言えない気がしますね。

陶芸のお師匠さんは……いない。俺はもともと師匠につくのが好きじゃないの。いろんな流派があるけど、俺の場合は綾瀬に住んでるから「綾瀬焼」かな(笑)。工法も焼き方も自己流ですよ。さる人間国宝の陶芸家のお弟子さん夫婦がうちに来てさ、いろいろ作品を見てもらったの。取っ手の部分がオチン●ンになってる急須を奥さんが見て「これがいいわ!」なんて言ってさ。旦那さんは「君は伝統に縛られず自由に作れていいなあ……」なんてつぶやいてたね(笑)。

でも、東日本大震災以降、陶芸はちょっとお休み中なんだよ。原発事故があったでしょ。原料の土も、それを燃やす木材も放射能に汚染されているかもしれないと考えると……食器に使うものが多いからね。その辺は悔しいよ。

俺がレスラーだからって、「プロレスの試合は“動”で、陶芸は“静”の世界なんですね」なんて知ったかぶりで言ってくる奴がいるけど、関係ねえよ。ただ好きなだけ! 以上!

■藤原喜明(ふじわら・よしあき)




1949年生まれ、岩手県出身。カール・ゴッチに師事した“関節技の鬼”。俳優、声優などマルチに活躍。陶芸作品の個展も多数開催している。

■『燃えろ!新日本プロレス』vol.54(2013年11月7日号)に掲載




http://weekly.shueisha.co.jp/moero/main.html

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http://wpb.shueisha.co.jp/2014/10/09/37069/

(取材・文/長谷川博一  撮影/平工幸雄)

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