新型インフルエンザもデング熱流行も、すべて医薬業界による金儲けの陰謀だった?

週プレNEWS / 2014年11月19日 6時0分

世界中で重大事が起きるたびにネットを飛び交う「その裏には巧妙に隠された驚くべき事実が…」「実は私たちの知らない巨大な力が…」といった陰謀論。政治・経済を陰で操り、人類を支配するのは秘密結社なのか? それとも宇宙人なのか? 一見、荒唐無稽なストーリーが次々と飛び出す背景を実例とともに検証するシリーズ第4回!

■インフルエンザ流行は薬で儲けるため?

鳥やら豚やら新型やら、次々と新種が出てくるインフルエンザ。そこに医薬業界の暗躍を疑う陰謀論も続出する。

インフルエンザの予防接種は医薬業界のドル箱だ。だがワクチンは効かないので、多くの人に予防接種を受けさせるには時々、陰謀で脅しておく必要があるというのだ。

1976年、WHO(世界保健機関)とCDC(米国疾病予防管理センター)は、新型の豚インフルエンザの大流行を警告した。アメリカ政府もマスコミを総動員してワクチン接種せよと大キャンペーンを繰り広げた。

だが新型というのは、豚用ワクチンが売れなくて困った製薬会社が人間用として売るためのウソっぱちだった。ワクチンの副作用で数十名もの死者が出て接種は中止されたが、それでも製薬会社は十分に利益を上げた。

2006年には、WHOがインフルエンザの大流行に備えて、ワクチンの大増産などの行動計画を発表。日本政府もタミフルを大量に購入し、もちろん製薬会社は大きな利益を得て株価も高騰した。

また、09年の新型豚インフルエンザでは、WHOが危険度を最高レベルのフェーズ6と宣言。マスコミは大騒ぎしたが、結果的に空騒ぎだった。

感染の恐怖を煽(あお)れば、医薬業界は活気づく。そのために新型ウイルスがひそかにばらまかれ、パニックが演出されているのである……。

【陰謀論研究の第一人者・田中聡氏による分析と解説】

医薬系の陰謀論が多いのは、人を助けるはずの仕組みが巨大な利潤追求システムであること自体が理不尽で、陰謀を構造化したようなものだからでしょう。




■デング熱で株価を操作して大儲け?

インパクトのある病名の割には、症状が軽かった日本のデング熱。大騒ぎしたのはなぜだったのか?

デング熱は、マスコミの反応が過剰だった。それほど重い病気ではなく、昨年も海外で感染して帰国後に発症した人が249人もいた。戦後初の国内感染といっても限定的なものだ。

それをあんなに大騒ぎしたのは、代々木公園で予定されていた大規模な反原発集会を中止させるための陰謀だったという説が!

しかも、陰謀論はまだある。もっと大きな狙いは株価操作だ。騒ぎのさなかの9月3日、フランスの製薬大手サノフィがデング熱を予防する世界初のワクチンの臨床試験で効果を確認したと発表した。続く5日には、ベンチャー企業の医学生物研究所がデング熱ウイルスの増殖を抑える抗体の開発に成功したと発表。また、武田薬品は昨年5月にデング熱ワクチンを開発した米インビラージェン社を買収しており、来年にも臨床試験を始めるという。

あまりにもタイミングがよすぎるデング熱騒動は、これらの企業の絶大なPRになった。すべては、そのために起こされた騒ぎなのかーー。当然、株価は上昇。殺虫剤や虫よけスプレー、薬局関連の株価も高騰した。

裏でこのシナリオを描き、インサイダー取引でガッポリ儲けたやつがいるに違いない……?

【陰謀論研究の第一人者・田中聡氏による分析と解説】

株価に影響する事件があると、必ず株価操作のために起こされたという陰謀論が生まれます。その場合、利益を得た者が犯人というのも陰謀論の定石です。

●田中聡(たなか・さとし)




1962年生まれ、富山県出身。怪しげなもの、奇妙なものを大マジメに論じ、分析することに定評のある文筆家。『怪物科学者の時代』(晶文社)、『妖怪と怨霊の日本史』(集英社新書)など著書多数。近年盛んになった陰謀論の核心に迫る近著『陰謀論の正体!』(幻冬舎新書)が好評発売中

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