「NPB80周年ベストナイン」発表に便乗! “水島”野球マンガの最強ベストナインを勝手に決めてみた

週プレNEWS / 2014年12月2日 17時0分

11月26日、日本野球機構がプロ野球の歴代選手たちによる「NPB80周年ベストナイン」を発表した。王貞治、長嶋茂雄のONらがそろい踏みの豪華メンバーは、まさに“ファンの夢”を具体化したものといえる。

そこで、この発表を記念して「全野球マンガ最強ベストナイン」を『週刊プレイボーイ』が勝手に選出! 野球マンガを愛する専門家たちに激論をしてもらった。まずは、その中でも質量で圧倒する水島新司先生の野球漫画をリスペクトし、別枠で語り尽くす今回。

メンバーは、横浜ベイスターズの通訳兼広報を経た後、新庄剛志選手の通訳としてMLBのワールドシリーズも経験、今年10月に『ゆるすぽ』を立ち上げ編集長に就任した小島克典氏。新進気鋭の野球マンガ評論家のツクイヨシヒサ氏。『このマンガがすごい!』メインライターの粟生こずえ氏。そして、野球関連本やスポーツマンガの書評、コラムなどを執筆しているオグマナオト氏の4人だ。

 * * *

ツクイ:野球マンガ全体から選んでも、結局、ベストナインは水島マンガが独占してしまうのが常です。いっそ、水島マンガはシード枠にしましょう。

オグマ:結局、キャッチャー山田太郎、セカンド殿馬一人(とのまかずと)、サード岩鬼正美(いわきまさみ)、レフト微笑(ほほえみ)三太郎に景浦安武(かげうらやすたけ=あぶさん)はどうしたって殿堂入り。それだけでポジション5つ埋まっちゃいますからね。

小島:でも、微笑三太郎の殿堂入りは正直、微妙じゃないですかね。

粟生:微笑はプロで化けましたよ。松井(秀喜)に「おまえもMLBに来い」と誘われたぐらいです(笑)。

オグマ:でも明訓五人衆じゃ唯一トレードに出されちゃうんですけどね。そして里中智は殿堂入りに唯一、名前が挙がらない。

粟生:水島作品にはほかにすごいピッチャーがそろっていますからね。私は藤村甲子園がベストです。むちゃだけどかわいげがあるし、お山の大将でも人望を集める人間的な魅力がありますよ。

ツクイ:メッツの火浦健(ひうらけん)もいいけど、エースの存在感なら不知火守(しらぬいまもる)。「こいつが打たれて負けたらしゃあない」と納得できる!

オグマ:僕は最高のストレートを持っている中西球道(なかにしきゅうどう)。最も明訓を追い詰めた投手ですね。甲子園最速の163キロですよ! まぁでも今は現実に大谷翔平とか出てきていますけどね。粟生:藤村甲子園も延長45回をひとりで投げ抜きましたが、それも今年の軟式野球大会で延長50回がありましたね。

ツクイ:逆に言えば、現実でどんな衝撃的な出来事が起きても、結局、野球というスポーツは水島新司という“神様”がすべてやり尽くしているんですよ。

粟生:女性の選手が出れば、いまだに水原勇気だといわれ、山本昌が50歳で投げれば岩田鉄五郎といわれる。すべては水島先生の掌(てのひら)の上ですよね。

小島:以前、僕はベイスターズにいましたが、選手も水島マンガに出ることがステータスでした。水島先生は野球殿堂入りするべき人。僕は坂田三吉が好きです。

粟生:私は土門剛介さんが好きなんですが、リハビリのため日常的にゴムまりを持ち歩く姿に惚れただけで、「重い球」ってなんなのか正直よくわからない(苦笑)。

ツクイ:でも、やっぱり不知火がすごいのは完封勝利を何度しても「あ、そう」と平常運転扱いのところ。結局、なのに一度も明訓に勝てなかった。そのへんも含めてカッコいいんですが。

オグマ:せめて、ここぐらいは不知火を選んであげたいですね。

ツクイ:キャッチャーの山田太郎は、あの古田敦也さんが「野球界にキャッチャーが増えたのは子供たちが『ドカベン』を見たから」と言うくらい日本野球におけるキャッチャーの歴史を塗り替えた偉人ですよ。

オグマ:座ったまま微笑んで、投手を見ながらファーストに牽制(けんせい)しますからね(笑)。

小島:山田は間違いなくメジャーでも通用しますね。バットのしなりをマンガ家にあそこまで描かせるスイングは驚異ですよ。大和引地台(やまとひきちだい)球場の山田太郎の銅像もバットのしなりがすさまじくて見とれてしまいます。

ツクイ:甲子園通算7割5分、20本塁打、51打点はだてじゃない。

粟生:セカンド殿馬、サードの岩鬼も討論の余地なし。特に絵になるホームランは、山田より岩鬼。「福岡ドームの屋根を開けろ」と言い、“グワラグワキーン”と打てるのは岩鬼だけ!

ツクイ:岩鬼のフィギュアを見ても、軸は安定してるし超アッパースイングを支える体の強さがある。山田はケガ、あぶさんもスランプに陥るけど、岩鬼はいつも岩鬼。水島さんも岩鬼は別格に描いているんでしょうね。粟生:次、ファーストは誰だろう。上下左右太(かみしもさゆうた)、力道玄馬(りきどうげんば)、金太郎、蔵田守。犬飼武蔵もプロで一塁ですが、やはり土井垣将ですね。最初は山田に練習もさせずに球拾いと洗濯だけやらせるイヤな先輩で、憎くてたまらなかった。でもバントに失敗して「なんと、情けない!!」というシーンにものすごい人間味を感じて好きになりました(笑)。

オグマ:ショートが難しい。千藤光、石毛幸一、高代智秋といますが……僕の中でのベストは、Kジローこと岡本慶司郎をショートにコンバートですね。

ツクイ:当時は長嶋さんの影響で「野球はサードだ」的な風潮もあり、ショートには人材がいないんですよね。

オグマ:殿馬がいなければKジローがセカンドなんですけど……。まあ、Kジローは適性ありますよ。

小島:いいんじゃないですか、それで。では外野にいきましょう。レフトは先ほども出た微笑三太郎として、あとは、いわき東の足利速太、東海の雲竜大五郎や土佐丸の犬飼武蔵など大型外野手もいますね。あと、弁慶高校の武蔵坊数馬まとか。

ツクイ:『野球狂の詩』には“モビーゴッド”海王神人(かいおうかみと)に野呂甚久寿(のろじんくす)なんて超能力者まがいも。これに阪神で藤村富美男の10番とミスタータイガースの呼び名を継承した“南の虎”王島大介、さらにあぶさんもいる!

オグマ:あぶさんこそ、最強です。現役37年間、ホークス一筋。3年連続三冠王に4割達成、ケガをしてもオールスターに代打で出てホームランを打つ鉄人ですよ。あと、僕は真田一球(いっきゅう)は外せない。微笑より一球さんですよ。

小島:人気ないね……三太郎。

ツクイ:目立った場面で活躍してないんですよ。でも、プロで3年連続ホームラン王ですからね。『ドカベン』は基本的にパ・リーグがメインなので、シーズン終了後、セ・リーグの結果を見ると「うおっ、微笑すげえ」ってなる(笑)。

小島:じゃあ、レフト三太郎、センター真田一球、ライト王島にDHあぶさんだね。あとは?

ツクイ:監督は徳川家康でしょ。スカウトはメッツの尻間専太郎(しりませんたろう)。武蔵坊はベストチームドクター。

粟生:最近、一番感情移入するのは山田のじっちゃんなんですよね! 仕事が忙しくて甲子園に行けないとき「今、俺が仕事を放り出して応援に行けば、太郎が負けるような気がする」っていうのは染みる名シーンです。

オグマ:じゃあ、ベスト父兄はじっちゃんで決定だなこりゃ(笑)。

●この続き、水島野球マンガ以外の最強ベストナインは発売中の週刊プレイボーイ50号にてお読みいただけます!

■週刊プレイボーイ50号(12月1日発売)「全野球マンガから最強ベストナインを決める!」より

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