セルジオ越後の一蹴両断!第381回「ガンバとセレッソ、大阪の両雄はなぜ明暗を分けたのか?」

週プレNEWS / 2014年12月4日 6時0分

まだ最終節が残っているけど、ガンバとセレッソ、大阪の2チームがこれほど明暗の分かれるシーズンを過ごすとは思わなかった。

開幕前に注目を集めたのはセレッソだ。日本代表の柿谷、山口などイキのいい若手がそろい、昨季4位と躍進したチームに2010年南アフリカW杯の得点王フォルランが加入。Jリーグでは久しぶりのビッグネームということで話題性も十分。一躍、優勝候補に挙げられた。“セレ女”と呼ばれる女性ファンの存在でも脚光を浴びたよね。僕自身もフォルラン獲得は素晴らしい経営判断だと思ったし、どんな魅力的なサッカーを見せてくれるのかとワクワクしたものだ。

ところが、シーズンが開幕すると、どうもパッとしない。試合運びはぎこちなく、選手たちからは昨季の躍動感が完全に失われた。注目のフォルランもコンディション不良で動きにキレがなく、周囲との連係もイマイチ。

それでも時間がたてば変わってくるだろうと思っていたんだけど、その後も流れを変えられずにズルズルと順位を落とし、2度の監督交代を経て残留争いにのみ込まれてしまった。

このセレッソの不振の理由はもちろん、前述したフォルランのコンディション不良だけじゃない。

今季からチームを率いたポポビッチ監督のカリスマ不足、昨季活躍したシンプリシオ(現・神戸)の放出、アジア・チャンピオンズリーグ出場による序盤の過密日程、シーズン途中でのエース柿谷の海外移籍、山口ら主力に相次いだ故障……と挙げればキリがない。多くのファンやメディアが押しかけるようになって、若い選手が浮き足立ってしまった部分もあるだろう。すべてが悪い方向に進んだ。




ただ、不運もあったにせよ、今季のフロントの動きはあまりにも場当たり的だったね。特に2度の監督交代はひどかった。拙速で一貫性もない。どういうサッカーを目指したいのか全然わからなかった。理念もコンセプトもなく、代理人に薦められるがままに動いてしまったとしか思えない。現場の選手は相当戸惑っただろう。今季の様子を見るかぎりでは、来季以降の巻き返しも想像しにくいね。

一方のガンバは日本代表の遠藤、今野がいるものの、期待の宇佐美が開幕前に故障。J2から昇格してきたシーズンとあって、それほど注目されていなかった。

開幕後もリズムに乗れず、ブラジルW杯によるリーグ中断時点では、セレッソ(13位)よりも下、降格圏内の16位にまで沈んでいた。

ところが、宇佐美の復帰とパトリックの獲得以降、調子を取り戻した。ふたりが攻撃を牽引(けんいん)するだけでなく、長谷川監督が我慢強く使い続けてきた阿部、大森らの若手も結果を出し始めた。そうなると、ボランチに遠藤と今野の日本代表コンビがいるだけに強い。連勝で一気に順位を上げ、ナビスコ杯でも優勝した。

セレッソとの比較は難しいけど、チームの継続性という点で大きな差があったと思う。選手の年齢のバランスもいいし、来季以降も期待できるんじゃないかな。来年秋には4万人収容の素晴らしいサッカー専用スタジアムが完成する。チームも選手もサポーターもモチベーションは高いはずだし、ぜひ“西の横綱”として、Jリーグを引っ張る存在になってほしいね。

(構成/渡辺達也)

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