鈴木宗男vs佐藤優 東京大地塾レポート(2)「教育格差で高卒と大卒の生涯賃金の差は10倍に?」

週プレNEWS / 2014年12月14日 1時0分

鈴木宗男氏(左)と佐藤優氏が指摘する、急速に進む教育格差の本当の怖さとは?

鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」。今回は、安倍政権で急速に進む教育格差の本当の怖さについて語る。このままでは日本社会を明治時代の格差社会に逆戻りさせるというのだ! いよいよ今日に迫った衆院選の投開票、これをどう判断材料とするか…?

* * *

佐藤 私が安倍政権になって本当にまずいと思っているのは、教育問題にまったく政策がないことです。その結果、今、明治維新以来初の「教育の右肩下がり」が起きている。われわれが受けてきた教育を子供や孫の世代が受けられなくなってきているんです。

35年前、私が大学生だった頃、同志社大学の授業料は年間34万円でした。ところが今は83万円。今の形で教育改革を進めていくと、4、5年後には早慶上智、同志社も300万円近くになると思うんですよ。

国立大学は授業料が年間五十数万円ですが、一橋大学は卒業条件に来年から海外留学が義務づけられました。一橋大学クラスならばアメリカのアイビーリーグに行くでしょうが、そこは1年で400万~500万円、生活費で200万円、さらに旅費もかかるので、少なくとも800万円はかかります。東京大学も今、ビジネススクールをつくってますが、そこも5ヵ月で約570万円ですよ。

今、日本では経済的理由で学業を断念する学生が増えている。奨学金で300万~400万円の借金を背負っているのが普通で、大学院まで行くと1000万円以上の人もいる。中退する人たちや学費未納で除籍になる人も非常に増えている。




その結果、トータルとして日本の教育水準は20年後、今より落ちます。さらにその20年後の世代になると、教育の差がそのまま階級格差になっちゃうんです。今は高卒と大卒の生涯賃金の差は3割くらいですが、将来はこれが10倍くらいに開くでしょう。

アメリカでエリートになるには、大学から大学院、そして博士課程に進んで外国留学と、30歳まで親が子供の教育に金をかけます。その金額はトータル7000万から8000万円。でも、アメリカでは金融マンや大企業の弁護士になれば、この金額を就職して2年で回収できます。

今、日本はそんな米国型社会に転換しようとしています。おそらく、40年後にはそうなる。その結果、ごく少数の富裕層が固定され、圧倒的多数の国民は貧困にあえぐというふうになりますよ。

実は日本も明治時代はこんな感じでした。その意味で今、日本は社会構造が恐ろしく逆転しようとしているんです。その点でも、安倍政権の流れにストップをかけないといけない。

鈴木 家庭の経済状況によって勉強できない、進学できない、これは由々しき問題です。

佐藤 ですから、例えば、北海道限定で、意欲のある子供たちをどうやって勉強させるか考えるべきです。何も東京の大学を出なくてもいい。

鈴木 北海道をはじめ、地方は誘惑も少ないし、勉強するにはいい環境ですからね。




佐藤 ちなみに、北海道はロシア語教育の水準がものすごく高い。釧路公立大学にも北大、札幌大学にもロシア語のコースがある。

そういうところでロシア語を勉強して、ウラジオストクやロシアのいろんな都市に留学すればグローバルな人材も育つ。文科省とは違う地方独自の教育プログラムやプランを示すのも地域政党やブロック制の大事な仕事だと思うんですよ。

それに東京だとワンルームマンションで7、8万円。親からの仕送りが5万円だとしたら残りはバイトして稼ぐしかない。京都なら築30年のアパートで月2万5000円で済みます。北海道だと?

鈴木 2、3万円で十分です。

佐藤 北海道なら5、6万円を学生が自分で稼がなくて済む。

鈴木 食費も安いから東京の5分の1で生活できます。そして、東京へ仕送りしていたお金が地元で使われれば地方経済も潤(うるお)っていく。このように地方を変えていくのが政治の使命だと思っています。

●鈴木宗男(すずき・むねお)




1948年生まれ、北海道出身。新党大地代表。2002年に国策捜査で逮捕・起訴、2010 年に収監される。現在は2017 年4月公民権停止満了後の立候補、議員復活に向け、全国行脚中!

●佐藤優(さとう・まさる)




1960年生まれ、埼玉県出身。外務省時代に鈴木宗男氏と知り合い、鈴木氏同様、国策捜査で逮捕・起訴される。外務省退職後は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家・評論家として活躍

■「東京大地塾」とは?




毎月1回、衆議院第二議員会館の会議室を使って行なわれる、新党大地主催の国政・国際情勢などの分析を行なう講演会。鈴木・佐藤両氏の鋭い解説が無料で聞けるとあって、毎回100人ほどの人が集まる大盛況ぶりを見せる。次回の開催は12月18日(木)

■週刊プレイボーイ51号「鈴木宗男×佐藤優【東京大地塾レポート第2回】『今度の選挙で安倍政権の暴走を止めないと日本は明治時代に逆戻りする!』」より

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング