宮藤官九郎×みうらじゅん「なぜ漫画原作の実写化は悪く言われてしまうのか」

週プレNEWS / 2015年8月14日 6時0分

巷(ちまた)でしばしば議論になるテーマに「人気漫画の実写化はアリかナシか」というものがある。

人気作であれば映画化を待ち望む人も多いが、反対に原作ファンからすれば「世界観が壊れる」「キャスティングがイメージと違う」など悩ましい問題もはらんでいる。

この問題について見解を述べたのが、数多くの邦画の脚本を手がけてきた“クドカン”こと宮藤官九郎氏だ。

『週刊プレイボーイ』33号では、みうらじゅん氏との対談連載「大人になってもわからない」の中で「被害妄想かもしれませんが」と前置きしつつ、ネットや雑誌に映画評を書いている評論家たちが「洋画と邦画を比較し」「ヘンに邦画を下に見ている」「中には邦画のあら探しをしているだけなんじゃないかっていう記事もあったり」と指摘。

これに、みうらも「それ、果たして評論家の仕事なのかねぇ?」と同意。そして、評論家のこうした意見にクドカンは「それはそれで理由もあるのかな」とした上で、こう話した。

「特にここ数年の邦画は、もともとTVドラマだったのが映画化されるか、漫画や小説を実写化するっていうパターンが主流になっているじゃないですか。そこを評論家はすぐにツッコミますね。オリジナルを撮れと」

しかし、漫画や小説の実写化は今に始まったことではない。1981年に『セーラー服と機関銃』が大ヒットしたように、原作ありの映画は邦画の十八番でもあった。実績や知名度のあるほうが企画を通しやすい、というのは今に始まったことではないのだ。それは海外でも然り。

続けて、クドカンは「さらに問題なのは、最近って原作を忠実になぞるというか、再現できてるかできてないかばかりが語られる」「原作を忠実に再現しているかどうかなんてどうでもいいっていうか、映画はまったく別物だと思うんです。撮る側が原作の世界にこだわっている限り、悪く言う人は必ず出てくる」…とも。

これに、みうらも「漫画原作の映画が色眼鏡で見られるのって、漫画を描く身からしても悔しいんですよ」「漫画の実写化って、原作とは別の面白さが生まれるポテンシャルも確実に秘めていると思うんだけど」と返す。

それを受け、クドカンがその成功例として挙げたのが、日本の漫画が原作の韓国映画『オールド・ボーイ』。国際的に高い評価を得て、ハリウッドでリメイクもされた。

そうした例があることを踏まえ、「その点、邦画での実写化はすでに面白い原作をそのまんま映像化しようとするから、評論家どころか一般のファンにまで低く見られるんじゃないですか?」とクドカン。

もちろん、邦画にも優れた漫画原作の映画はある!というワケでクドカンが評価しているのが『寄生獣』だとか。「20年以上前の漫画ですけど、今のCG技術のおかげでちゃんと映画として生まれ変わってます」。それに対し、みうらも現在公開中の『進撃の巨人』について「原作をまったく知らない僕でも面白かった。そういう映画がもっと邦画にも出てきたら」と語った。

まだまだ邦画は捨てたもんじゃない!と評する、ふたり。原作がありやなしや以前に邦画界を盛り上げるヒント、見方は作り手にも観客にもある。

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