元JUDY AND MARYのTAKUYAが挑戦する音楽とお笑いを融合したコミックバンドとは?

しらべぇ / 2014年12月11日 10時30分

「コミックバンド」というバンド形態をご存知でしょうか? コミックバンドとは、演奏や歌詞、仕草などで聴衆を楽しませる「音楽とお笑い」が融合したバンド形態。古くは、クレイジーキャッツやドリフターズがコミックバンドとして一世を風靡しましたが、今では見かけることも少なくなりました。

今、そのコミックバンドに新しい形で取り組んでいるのが、元JUDY AND MARYのTAKUYAさん。TAKUYAさんを中心に集まった本格派ミュージシャンと、お笑い芸人アメリカザリガニによるユニット「商店街バンド」として活動されています。今年2月に行った単独初ライブには、ムッシュかまやつさん、175RのSHOGOさん、軟式globe、ペレ草田さんなどが出演し、豪華なゲストも話題を呼びました。

集合写真

その商店街バンドが、12月16日(火)から3ヶ月連続で単独公演の発表をしました。しらべぇ編集部では、「アイドル全盛、打込み音楽全盛の時代に、あえてコミックバンドという伝統芸能に挑戦するのか」をTAKUYAさんに話を伺いに行きました。

■ アメリカザリガニの出囃子を作ったことがキッカケで誕生したバンド

――商店街バンドはコミックバンドをやるために結成されたのですか?
初めからコミックバンドをやろうとしたわけではなくて。8年か、9年くらい前になると思うんだけど、アメリカザリガニが「出囃子(漫才で舞台にあがる時の音楽)を作って欲しい」って言ってきて、出囃子を作った。その後、僕の誕生日ライブをやる時にアメザリと対バンしようって話になって、はじめはアメザリに前座で漫才やってもらったの。でも打ち上げで「どうせだったら来年はコラボしてやろうよ!」ってなったのがキッカケ。

――その時にコミックバンドの形式になったんですか?
曲でボケていこうっていうのは決まってた。「結婚式場の下見に新郎がやってきた」という設定も決めて。新郎役が柳原くん(アメリカザリガニのツッコミ)、結婚式場のマネージャーが平井ちゃん(アメリカザリガニのボケ)。僕らは結婚式場の箱バンドで、「うちは生演奏がウリの結婚式場なんです」っていう体裁で、ウェディングマーチからケーキ入刀、お父さん・お母さんの手紙のBGMを間違えたりしてボケる。

――まだ商店街って設定ではなかったんですね。
商店街って設定も、本番やってる時に平井ちゃんが「この辺りの商店街の方たちがバイトでやってくれてるんです」ってアドリブを入れてきたんだよね。

――笑
みんな何屋さんをやってるとかもリハとかではなくて、平井ちゃんがアドリブで適当につけだした。それでパン屋ですとか決まっていった。そんな感じで、2回3回とやってるうちに商店街バンドになっていった。

――誕生日ライブでは何回くらい演奏されたんですか?
5回だね。結婚式ネタが2回、選挙で2回、ご当地ヒーローで1回。毎年これを楽しみにしてくれる人たちが増えて、自分たちも鉄板ネタが増えてきて。そろそろ単独公演もいいんじゃないかな、こんなに面白いんだったらやってもいいかな、と思ってやったのが今年の2月の単独公演。

■ キャリアを積んできた今だからこそできる

――元々コミックバンドはミュージシャンとお笑い芸人の組み合わせなんですか?
昔はコミックバンド自体がお笑いをやってたんで違うかな。そもそも、昔はコミックバンドって凄いたくさんあったの。その代表的なのが「クレイジーキャッツ」や、「ドリフターズ」。ドリフターズもバンドだったんだよね。ドリフターズは、8時だよ全員集合に関しては、バンドはやってなかったけど、生バンドとかオーケストラを後ろに引き連れて指揮者の人がいて生で演奏してた。

いまみたいに録音機器が高性能じゃなかったから、昔のテレビは生演奏してたの。

――それがもう衝撃です!
今は全部編集して事故のないようにしてるけど、昔は全部生放送だったからね。でも、時代の進化とともに、録音したほうが経費も人件費も安くなる。そういったこともあって、コミックバンドをだんだん演る人がいなくなった。伝統芸能だったけど、演奏する人がいなくなった。

コミックバンドは子供時代見てきてたし、僕が関西人っていうのもあって、コミックバンドは面白いっていうのがDNAにあった。

――商店街バンドは伝統芸能の復活になるんですか?
伝統芸能の復活でやってる意識はあるね、凄く。バンドで笑わせるっていうスタイルを現代版でやっていきたい。

――広げていきたいですか?
やっぱ、広げていきたいかなぁ。もっといっぱい演る人が出てきてもいいのにねって思う。関西だとやってる人いるんだけどね。どうしてもお笑い好きだからさ(笑 ただ、バンドでボケるってテクニックがうまくないとできない。

テレビの主題歌とかもさ、バンドでやるには難しいメロディーもたくさんあるわけ。クラシックの曲とかもバンドでやったりするし。そんなの、10代20代の若い子に演奏してって言っても難しい。パッとやったり止めたりとか。それに、ボケとツッコミにうまく間を合わせたりは駆け出しでは無理。だからその辺、おれもキャリアを積んできて、今だからこそできるっていうのはある。1曲の生演奏を間違えない美徳から、ベテランなりの確信して間違えたりする生の自由を表現したいね。

――2月の単独公演の反響ってどんな感じだったんですか?
企業とかに何席か買ってもらったんだけど、いわゆる「別に来たくないんだけど会社に言われて来てます!」って人たちが何十人かいたんだけど、その人達がドッカンドッカンなってたのは良かったよね。

連れてきた社長さんも、来る前は社員に「これって何なんすか?」なんて言われてたみたいだけど、終わる頃には「また来たいです!」って言われてね。
だから、これをもっとたくさんの人に見て欲しいなっていうのはある。

こないだも、年齢層が上から下までいろんな人来ていて、「曲とか古くて大丈夫かな?」って懸念はあったけど、なんだかんだ昔のヒット曲をTV番組でやっているせいか、メジャーな曲だと、昭和のヒット曲とか、おれが生まれる前の曲とかもやってたけど、みんな分かってた。音楽ってヒット曲の威力って言うのか、なんかあるんだよね。生で実際に演奏してても、良くできてるなぁっていうのもあるし。

――それは、どういうところが良くできてるんですか?
例えば、ベートヴェンの第9(交響曲第9番)とか、とっくにベートヴェン死んでるんだけどさ、いまだに交響楽団が演奏するとみんな感動するじゃん。

――なるほど。

■今の音楽シーンについて

――話が変わっちゃうんですけど、こんな時しか聞けないので…。今の音楽シーンについて伺ってもよいでしょうか?
今の音楽シーンを見てて思うのが、「こういう曲が聴きたいと思っているリスナーがいるだろうなぁ」と思って音楽を作っている人がほとんどだなと思っていて。それはいわゆるサービス業の会社と一緒なんだよね。マーケットニーズに対して、商品やサービスを提供するっていう。そうやって食べていこうとしている感じはわかるんだけど…。

おれがなんで音楽やろうかと思ったのは、ロックに衝撃を受けたから。マーケットなんてなかったけど、誰も聞いたことないメロディーや言葉で人生変わってしまって、世界も変わってしまう、みたいなことが音楽にはあって、おれはそういうのが好きでやってるから。

誰にも伝わらないかもしれないけど、なんか大きな声で叫びたいとか、ハートが揺さぶられるというか、時代に一石投じてるみたいな人はあんま見ないなぁと思うね。最近。

――これで人生変わりましたみたいなの、最近なさそうですよね。
そういう時代なのかもしれない、日本がね。 実はもうみんな不満とかないんじゃないのかなって思う。だから音楽とかで「バカヤロー」みたいなの言う人もいないし、そもそも「バカヤロー」の対象がないのかもね。

――TAKUYAさんは今も不満とかあったりするんですか?
おれはおれで、そういう音楽業界とかに嫌気をさしてる自分がいて、ソロの活動する時は、まったくJPOPじゃない音楽もやってるし、そういう意味では闘ってるけどね。おれがやらなきゃ。とか、誰も聞いたことがないやつ作ってやろうとか。

そもそも、おれからしたら1曲を何人かで分業にしている時点でちょっと「?」って感じになる。1人で3分歌い切れよと思う。

――思ったことなかったです。
たまに上手い人同士が集まって歌うのはいいけど、基本的に「みんなで集まればどうにかなるだろ」って感じがするし、1人で歌ってないと孤独感とかは伝わらないよね?

――隣に一緒に歌ってる人いますしね。全然孤独じゃないっていう(笑
そうそう。音楽のアレンジも足し算が多くて。音を増やしていけば物足りない感は埋められるけど、少ない音の数でハートにくることをやれてる時に人って感動するし、そういう音楽って時代を超えると思ってる。

色んな音を足していくと、今の時代の流行ってる楽器とかをいれちゃって、時代を妙に映しちゃって、すぐに古いねってなっちゃう。

■目標はレッチリにツッコミ!?

――最後に商店街バンドの今後の目標を聞かせてください。
商店街バンドは、昔のドリフターズみたいにゲストが遊びに来て一緒に音楽をやりながら番宣をしていく場にしたい。まだお誘いはないけど、狙ってるとこはフェス。そのフェスにきてる海外のアーティストとか、このあとやるバンドが遊びに来て、番宣して欲しいと思ってる。

柳原くんにレッチリとかがツッコまれたら面白いよね(笑

■ 商店街バンド

音楽×お笑い×演劇という3つの要素を融合させた、新しいカタチのエンターテイメント。昭和の時代、日本のショービジネス界に大きな足跡を残したクレイジーキャッツやビジーフォーなど音楽×コメディの融合という斬新な企画にチャレンジするコミックバンド。

【メンバー】 TAKUYA(ex:JUDY AND MARY)、五十嵐公太(ex:JUDY AND MARY)、友森 昭一(ex:REBECCA)、坂巻晋(theVanila,the wells)、nishi-ken、アメリカザリガニ

(文/しらべぇ編集部・砂流恵介 http://sirabee.com/author/keisuke_sunanagare/ )

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