【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】「ばってん」と「but」共通点の不思議

しらべぇ / 2014年12月11日 18時0分

どうも、「お前には合わないから、西日本出身の女はやめておけ」と親に言われ、北海道出身の女の子と付き合っている、俳優/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹です。

このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。

以前の連載 http://sirabee.com/2014/11/12/7472/ で「名前」を意味する言葉が、様々な国で似た響きだということを書かせていただきましたが、他にも「外来語」扱いはされていないのに、海外と日本で、意味と響きが似ている、という言葉が存在します。

今回は、主に九州地方で使われている「ばってん」と、英語の「バット」がどちらも「しかし」という意味で使われていることについて、考察してみようと思います。

「ばってん」

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否定を意味する、「×(バツ)」のことも、幼児語では「バッテン」と呼ばれますよね。「しかし」という言葉も、そこまでの話を否定する意味で使われる言葉なので、この「ばっと」「ばってん」という音には、人間には本能的に「否定」を感じさせる響きなのではないでしょうか?

罪に対しての制裁「罰」もまた、「バツ」と、発音されます。なぜこうも人間は、「否定」をするときに「バッ」という発音をしたがるのでしょうか?

この不思議を解明するために、「ba」という音から始まる言葉を集めてみました。

「ba」という音から始まる言葉

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Flickr photo by Squeezyboy https://www.flickr.com/photos/squeezyboy/57632579

●「馬鹿」

完全に、否定の意味で使われています。

馬や鹿のような知能、という、動物にとても失礼な言葉ですが、音がマッチしたからこそ、広く使われるようになったのではないでしょうか?

「ba」という響きを聞いたときに、人間が「否定」という意味を本能的に感じ取るのであれば、「馬鹿ばっか」なんて、「ba」に「ba」を重ね、かなり強い否定の音を発していることになります。

●「back」

英語で「さがる」という意味で使われている言葉ですね。これも「進む」ことを、否定している言葉です。

時間が戻れば「バックトゥザフューチャー」、必ず帰ってくるなら「アイルビーバック」やはりこの「バッ」も否定の意味で使われています。

●「bad(バッド)」

なんか、まさに「悪」を表す言葉で、否定の最大限の表現と言えるでしょう。

なぜ人間は「ba」を否定に使うのか?ここであえて、言葉の由来や成り立ちは無視して、「発音の仕方」について考えてみたいと思います。

「ba」が否定に使われる理由。答えは発音にあった?

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Flikcr photo by Linda https://www.flickr.com/photos/seemsfinehamburg/4013434323

「バ」は、必ずクチを一度閉じないと、発音することが出来ません。クチを一度閉じないと発音できない音は「マ行」「バ行」「パ行」の3つ。

「マ」であれば、「魔」や、「間」。「魔」が否定する言葉であることはもちろん「間」も、またそこに何もないことを表す言葉で、「ある」ということを否定している言葉と捉えていいのではないでしょうか?

「パ」に関しては「これ」という単語は見つかりませんでしたが「パニック」や「パンデミック」など、やはりマイナスなイメージの言葉に使われている印象です。(強引に推論を進めているので「パーティ」の話だけはやめて下さい!)

なぜ一度クチを閉じてから発音すると、否定の響きに聞こえるのか?まさに「閉じる」という行為そのものが、「否定」をあらわすからなのではないでしょうか?

だからこそ、人間は否定をする時に、一度クチを閉じたくなり、そこから出てくる発音を否定に使いたくなるのだと筆者は考えます。身体の感覚と言葉の意味には、意外とつながりがある。

「響き」と「意味」に注目すると、新しい言葉の世界が見えてくる。そんな考察でした。

(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹 http://sirabee.com/author/yuuki_kuroda/ )

しらべぇ

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