【データで考える】共働きが増えているのに配偶者控除「存続派」が大多数な理由

しらべぇ / 2014年11月6日 7時0分

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内閣府は11月4日、「女性の活躍推進に関する世論調査」を発表した。それによれば、震災後にいったん賛成派が反対派を逆転していた「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方について、反対+どちらかといえば反対の合計が49.4%とふたたび上回った。

この調査が「社会の意識」を映すものだとすれば、その実状は、どうなっているのだろうか。総務省統計局「労働力調査(基本集計)」を元に、共働き世帯と妻が働いていない世帯の割合を見ると、以下のような傾向となっている(2011年のみ被災した東北3県を除外)。

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実態は、1つめのグラフのように乱高下していない。共働き世帯はほぼ右肩上がりで増加し、直近の数値では「妻が専業主婦の世帯」に対して10ポイント以上の差をつけた。

では、どのような共働きスタイルが増えているのだろうか。現行制度(2016年3月まで)で社会保険加入の対象となる「週30時間労働」で切ってみると、興味深いことがわかる。

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週30時間以上働いている妻の割合が大きい一方で、増減はほとんどなし。2013年までの10年間で増えた共働き世帯の割合(3.9%)は、週30時間未満働くパートタイマーの増加分(3.2%)とほぼ一致する。

これには「103万円の壁」と言われる配偶者控除(年収103万円以下だと夫の所得から38万円控除される)と、夫の扶養を外れる「130万円の壁(2016年4月以降は106万円)」が影響しているものと推測される。

実際にそうした壁を意識して、働く時間をセーブしている人はどれくらいいるのだろうか。厚生労働省の「平成23年パートタイム労働者総合実態調査」によれば、「就業調整」をしている人の割合は全体の15.6%。

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その中で、やはり既婚女性だけが突出して高く、5人に1人を超えた。もっとも低い独身女性の約2.6倍である。

今、首相の諮問機関である政府税制調査会では、配偶者控除の見直しについて議論が進められている。そこで、しらべぇ編集部では、アンケートサイト「マインドソナー」 https://mind-sonar.com/target/Wd49a7a8c-aad1-4adc-b70c-35e7279639e3 を使って、配偶者控除廃止の賛否について聞いてみた。

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・賛成:23.9%
・反対:76.1%

7割を超える人が、廃止に反対という結果となった。その内訳は、減りつつある専業層(25.8%)、増加する週30時間未満の共働き層(15.8%)に加え、将来的に時短勤務など働き方の変化を見越した、独身者やフルタイム共働き層が中心と思われる。働きたい(妻に働いてほしい)という思いはあり、共働き率は増えつつも、控除を意識した働き方をせざるをえないのが実状なのだ。

女性が社会で活躍するのを阻んでいる壁は、「103万」「130万」といった金銭的なものだけではない。待機児童問題、いわゆる「マタニティ・ハラスメント」、PTAや地域社会での責任、家族の介護を誰が担うか、夫が転勤したらついて行くか、など、いわば見えないガラスの壁が何重にも取り囲んでいる。

社会が力を合わせて壁を取り払うか、個人で乗り越えるか、いずれにせよ、男性の協力が不可欠だ。

(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト http://sirabee.com/author/makoto_takahashi/ )

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