【ソムリエ語る】ボージョレはヌーヴォーだけじゃない!解禁日には「クリュ」を選べ

しらべぇ / 2014年11月19日 11時30分

*Photo by Dominic Lockyer https://www.flickr.com/photos/farehamwine/10727911003/in/photolist-38QW9y-hkZmbP-4Mm4rh-8t9y9g

11月の第3木曜日といえば、フランスワインの新酒、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。時差の関係で世界でもいち早く解禁される日本では、今日の深夜0時から飲むことができるため、本場フランス以上かとばかりに人気を集めている。

しかし、毎年「◯年に一度の当たり年」「近年稀に見る仕上がり」といった煽り文句がある一方、味わいについて「渋味が足りない」「ジュースみたい」と言う人もいて、賛否が分かれている。さらに近年は安売りも進み、1本1000円を切るようなものや、ペットボトル入りまで売られているほど。

そこで、しらべぇ編集部では、西麻布の隠れ家ワインバー『ワインのばか』オーナーソムリエの石渡競一さんに話を聞いた。

■  ボージョレにも「格付け」がある

ソムリエ:ボージョレ地区にも格付けがあり、ボージョレ→ボージョレ・ヴィラージュ→クリュ・ボージョレという順に、地域が限定されて格が上がっていきます。

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クリュ・ボージョレには、「モルゴン」や「ムーラン・ナ・ヴァン」など10地区が指定されていて、5〜10年の熟成に耐える素晴らしいワインもあります。タンニンの効いた赤ワインがお好きな方は、この10個を覚えておいて、ヌーヴォー解禁日に、あえて「モルゴンの2009年を」などとご注文されると粋かもしれません。

■ボージョレ・ヌーヴォーは「つくり方」が違う

ソムリエ:ボージョレ・ヌーヴォーは、「マセラシオン・カルボニック」という特別な方法で醸造されます。炭酸ガスの力で早く飲めるようになり、独特な紫色をしたまろやかなワインに仕上がりますが、いわゆる赤ワインがお好きな方には、物足りなく感じるかもしれませんね。

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*Photo by GoProo3 https://www.flickr.com/photos/goproo3/15185157723

■  ボージョレ地区は「自然派ワイン」が盛ん

ソムリエ:2010年に亡くなったフランス自然派ワインの巨匠、マルセル・ラピエールや、その甥のフィリップ・パカレ、愛弟子のジョルジュ・デコンブなど、ボージョレはフランスの中でも自然派ワインの割合が高い地域です。

まず、化学肥料や農薬を使わずにブドウを育てる。発酵には果皮についた自然酵母を活かし、ほとんどのワインが醸造過程で使う亜硫酸塩をほぼ使用しないのが、自然派のつくり方。

亜硫酸塩を使わないワインは「二日酔いしにくい」という人もいます。解禁日に、試してみるのもいいかもしれません。

■  それでもヌーヴォーを飲むなら、オススメはこの2本

ソムリエ:ヌーヴォーとして出荷できるのは、ボージョレとボージョレ・ヴィラージュという格付けだけ。最高級クリュ・ボージョレの畑をもつ蔵元も、ヌーボーの場合は格を落とさないといけない。だから、一流のつくり手によるヌーヴォーはお買い得とも言えます。

自然派ワインのフィリップ・パカレやジョルジュ・デコンブも、ヌーヴォーをつくっています。1000円を切るような大量生産のものとは味もつくりも別格なので、こうしたものはソムリエとして自信をもってオススメできます。

【フィリップ・パカレ「ボージョレ ヴァン・ド・プリムール」】

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【ジョルジュ・デコンブ「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」】

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*取材協力:Academic Wine Bar「ワインのばか」
東京都港区西麻布4―1−15 セブン西麻布3F 営業時間:18:00―3:00/不定休

(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト http://sirabee.com/author/makoto_takahashi/ )

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