ノーベル賞を受賞!EGFの効果とは?

スキンケア大学 / 2017年4月28日 8時15分

ノーベル生理学・医学賞を受賞したEGFの効果

EGF(上皮成長因子、Epidermal Growth Factor)は、アメリカの生化学者スタンリー・コーエン博士が1962年に発見したタンパク質です。もともと生物に備わっている53個のアミノ酸から形成されるタンパク質で、細胞の成長促進や機能を整える役割があります。

コーエン博士は研究によりマウスの顎下腺抽出物から新しいタンパク質を単独で分離することに成功し、そのタンパク質(mEGF,Mouse Epidermal Growth Factor)が新生マウスの眼を開かせたり、歯の成長を促進する効果があることを発見しました。

これにより、人が本来持っているタンパク質のなかに細胞、皮膚、骨、筋肉などの成長や代謝、機能を調整する「成長因子(Growth Factor)」があることを発見したのです。人の成長因子は、正式には「hEGF:Human Epidermal Growth Factor」と言い、唾液や母乳などにも多く含まれています。

EGFは医療分野で火傷や傷などを負った肌の再生、皮膚移植、角膜切開による傷の回復促進として臨床使用されていました。それにより、お肌の上皮(皮膚・粘膜など)の細胞にある上皮成長因子受容体(EGFR)と結合して受容体(チロシンキナーゼ)を活性化、新しい細胞をつくったり増やしたり、また正常に働くために調節する作用があることがわかったのです。

スタンリー・コーエン博士は、皮膚の神経細胞の再生を助ける118個のアミノ酸からなるタンパク質の「NGF(神経成長因子、Nerve Growth Facto)」も発見しています。NGFは損傷した神経細胞の修復と機能の回復を促がし、神経細胞を成長させ増やしてくれます。

スタンリー・コーエン博士は、この2つの成長因子、EGFとNGFの発見の功績で1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

EGFをスキンケアに

肌再生医療として研究されていたEGFは、発見当初はとても貴重でわずか1gが8千万円という高額なものでした。しかし現在は多くの研究者たちの功績によってEGFの抽出技術と生産技術が進み、化粧品に利用可能な価格となったことで、私たちの身近なスキンケアの美容成分として利用できるようになりました。

EGFの美容成分の効果については、アメリカのブラウン博士の臨床試験で確認されています。EGFを0.1μg/g(0.00001%=0.1ppm)配合したローションを約2ヵ月(60日)間に朝昼の2回使用したところ、表皮の新生細胞の成長率が平均284%促進、最高で835%促進したということです。これは30~60代の被験者の実験データですが、50歳以上の年齢でも新生細胞の成長が改善したことが確認されています。

EGFの配合濃度と品質基準

美容成分としてのEGFは、正式名称「ヒトオリゴペプチド-1」の表記で厚生労働省が2005年に化粧品への配合を認可しています。

また美容効果が得られる適正なEGFの配合濃度と品質について、民間の第三者認定機関が認定ガイドラインを作成しています。その基準を満たした製品を「認定マーク」などで保証し、安全な製品の普及活動をしています。

(この記事の監修:​ 肌クリニック大宮 院長 / 相馬孝光 先生)

スキンケア大学

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