ディーン・フジオカ『パンドラの果実』人類絶滅危機があっけなく回避された最終話、漂うお粗末感【ネタバレあり】
SmartFLASH / 2022年6月27日 10時0分
3話分を使って描かれた長編エピソードのクライマックスは、あまりにあっけなく、お粗末な解決シーンになっていた。
6月25日に最終話(第10話)を迎えたディーン・フジオカ主演の『パンドラの果実 科学犯罪捜査ファイル』(日本テレビ系)。
ディーン演じる主人公・小比類巻祐一が、警視庁に「科学犯罪対策室」を立ち上げ、最先端科学技術にまつわる数々の怪事件を解決していく物語。「科学犯罪対策室」メンバーとして選ばれたのは、事件解決実績が豊富な元捜査一課のベテラン刑事・長谷部勉(ユースケ・サンタマリア)と、分子生物学を中心に多様な分野で活躍していた天才科学者・最上友紀子(岸井ゆきの)のふたりだ。
ここからは最終話のネタバレありで話を進めていくので、未視聴の方はご注意いただきたい。
■【ネタバレあり】ラスボスのしょうもない美学でテロ失敗
ラスボス的存在は、第7話から登場していた不老不死研究の第一人者であるウイルス学者・榊原(加藤雅也)。「最終章」と銘打たれ第8話から最終話まで、榊原が暗躍する最後の事件が描かれていった。
榊原の目的は、プロメテウス・ウイルスによって不老不死を実現させることだと思われていた。しかし、プロメテウス・ウイルスはごく一部の適応者が不老不死となるが、人類の大半と予想される不適応者は、急激な老化で死亡してしまう副作用がある。その副作用を利用し、「進化」と称して人類を絶滅の危機に陥れること――それが榊原の真の目的だったようだ。
最終話で榊原は、インフルエンザ・ウイルス並みの感染力を持つ新型プロメテウス・ウイルスを生み出し、世界中から科学者や政財界の有力者が集まるパーティー会場でばらまくというバイオテロを画策。感染力が非情に高いだけでなく、ワクチンや特効薬もないため、テロが成功したら感染爆発は不可避というほどの、未曽有の大惨事が予想されていた。
しかし、結論を言うと、そのバイオテロは長谷部らの活躍で未然に阻止。とは言え、防ぐことができたのは長谷部らが有能だったわけではなく、テロ計画がとんでもなくお粗末だったからである。
パーティー会場では巨大スクリーンで榊原のビデオメッセージが流れたのだが、メッセージが終わりスクリーンの幕が上がったところで、ウイルス散布される仕掛けになっていた。どうやら、会場にいる者たちに自分の思想を最後まで聞かせてからウイルス散布するのが榊原の美学だったようだが、その時間のおかげで長谷部らが無事に解除に成功する。要するに、しょうもないこだわりは持たず、すぐに散布する仕掛けにしておけばテロは成功していたのだ。
3話分も使って描いていたラスボスの目論見が、あっさりと打ち砕かれる展開。大半の人間を死に至らしめるという人類史上もっとも凶悪な目的に対して、実際の計画の間抜けさにギャップがありすぎて、全然釣り合っていないのである。
あまりに簡単に解決してしまったし、仕掛けが解除された時点で放送時間はまだ15分ほど残っていたため、筆者は絶対にもう一波乱あるだろうと思ったほどだ。だが、残り15分は榊原の末路といった事件の結末と、小比類巻の娘の誕生日をレギュラーメンバーが祝う様子をほのぼのと描いて終了した。
■Season1最終話のすぐ後に、平常運転のSeason2が開幕…
こうして、あっさりラスボスの狂気の謀略が打破された最終話だったが、ドラマ全体の最大の縦軸は保留のままだった。
主人公・小比類巻の妻は若くして亡くなっているのだが、彼はいつか科学の力で妻を蘇生させようと遺体を冷凍保存している。この主人公の最終目標については決着がつかないままとなっている。
だが、それもそのはず。この『パンドラの果実』というドラマは、放送開始前から全10話となるSeason1は日テレが地上波で放送し、全6話となるSeason2はHuluオリジナルで独占配信されると発表されていた。
そして、Season1が放送終了してすぐ後に、Season2の第1話が配信スタート。地上波放送の最終話の余韻に浸る間もなく、続編がもう始まっているのである。なかなかの節操のなさではないだろうか。
Season2の第1話では、さっそくある青年が突如凶暴化して、超人的な怪力で5人を惨殺するという別の事件が始まっていた。「科学犯罪対策室」に新メンバーの若手刑事が加わったり、仲間の天才科学者・最上が事件への関与を疑われたりという展開。しかし、そこまで目新しいストーリーというわけでもなく、ある意味、平常運転でSeason2は開幕。
Season2の存在は以前から正々堂々と告知されていたものの、前述したようにSeason1最終話はいまいち締まらず、そこから間髪入れずにSeason2がHuluで始まったわけだ。地上波のみ視聴しているファンへの配慮が、いささか足りないのではと感じてしまった。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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