【ライターコラムfromG大阪】世界を知った市丸瑞希、「レベルの高い」先輩たちからポジション奪取を目指す

サッカーキング / 2017年6月7日 14時57分

U20W杯に出場した市丸瑞希 [写真]=FIFA/FIFA via Getty Images

 U-20日本代表としてガンバ大阪から4選手が出場した、FIFA U-20ワールドカップ韓国2017。周知の通り、結果は1勝1分1敗でグループステージ突破を決めたものの、決勝トーナメント初戦のベネズエラ戦に惜敗。ラウンド16で敗退した。

 同大会においてU-20日本代表が戦った4試合のうち、3試合に先発出場を果たしたのがMF市丸瑞希だ。ガンバ大阪U-23の一員としてJ3リーグ21試合に出場した昨年とは違い、トップチームでプレーしていた市丸の今季のガンバでの公式戦出場は、ここまでゼロ。それゆえ大会前は試合勘のなさを心配されたが、結果的に自身にとっての同大会初出場となったウルグアイ戦を皮切りに躍動。決勝トーナメント進出を決めたイタリア戦では、絶妙な縦パスで堂安の2点目を演出するなど、安定したパフォーマンスを発揮した。

 その戦いを振り返り「いい緊張感の中で戦えたし、いい経験になった」と市丸。世界の舞台を戦ったことへの手応えを口にしたが、一方で、やはり試合勘の部分には物足りなさを感じたと言う。

「ベネズエラ戦は90分を通して戦えなかったと考えても、体力をつけなアカンと思ったし、他の試合でも、ところどころでプレーの感覚がおかしかったというか。いつもより視野が狭かったり、周りを見る回数も多くて……。それは悪いことじゃないと思うけど、コンスタントに試合を戦っている時は1回で状況を把握することができたり、感覚でプレーできるところもありましたからね。そう考えるともう少し試合勘があれば、もっと早い判断でプレーできたかなと思ったので、改めて試合勘は大事だと感じました」

 だが、『試合勘を積む=試合に出る』必要性を感じたからといって、ガンバで置かれている自身の現状に焦りはないと言う。それは、同じボランチのポジションを争う選手が、遠藤保仁、今野泰幸、井手口陽介、倉田秋といった、日本代表クラスの選手ばかりだからだ。普段の練習から、彼らのレベルを体感し、トレーニングを続けていることで着実に鍛えられていること、磨かれていることはあると確信しているからこそ、今はその環境をプラスに捉えて自分を磨くだけだと前を向く。

「今大会でも、守備面や球際の強さ、ボールを奪い切る力といった部分に課題を感じたし、実際に僕のところでボールを奪い切れたら、ってシーンが何度もあった。それをクリアにしないと…ガンバで同じポジションを争う人たちは、それを卒なく、精度高くやれる選手たちばかりだと考えても、試合に出ることはできないと思う。っていうか、いまはまだポジション争いにも食い込めていない状況ですからね。その事実を真摯に受け止めながら、焦らずにコツコツとレベルアップを図りたい。ライバルの存在はデカすぎますが、自分が成長する上で同じポジションに代表クラスの選手ばかりいるなんて、こんなに素晴らしい環境はない。その競争に割って入れるようになれば、僕もわかりやすく日本代表に近づけると思っています」

 もっとも、幼少の頃から大の負けず嫌いで「いつも勝つことしか頭になかった」と話す市丸のこと。そうした言葉の奥に、いつか必ずポジションを奪ってやるという決意はしっかりと秘めているはずだ。いや、淡々と話す言葉の中に、一瞬だが、確実にその野望を見る。

「目指すところは高い方がいいし、どうせポジションを奪うなら、レベルの高い人から奪った方がいい」

文=高村美砂

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