月の裏を飛ぶ有人飛行計画「EM-2」、NASAが計画短縮を考慮中 SLSとオリオン宇宙船利用
sorae.jp / 2016年12月12日 8時0分
現在NASAが開発をすすめる、月や惑星探査を目指すオリオン宇宙船とスペース・ローンチ・システム(SLS)。そして同宇宙船とロケットの初の有人ミッション「EM-2」は月の裏側を飛行する予定ですが、そのミッション日数が若干短縮されることが現在NASAによって協議中となっています。
この「EM-2」と呼ばれるミッションでは、オリオン宇宙船は8日間(オプションによっては最大21日間)で地球から月、そして地球まで飛行することになります。しかし当初の予定では、打ち上げから帰還までが9〜13日、また3〜6日を月を超えた軌道で過ごす予定だったのです。このような変更は、乗員のリスクとの兼ね合いを考えて決定されたと説明されています。
NASA担当者のBill Gerstenmaier氏は、「これがオリオン宇宙船の生命維持装置を利用する、最初の機会になります。計画ではまず地球軌道で一度装置を動作させて故障がないかを確かめ、もし問題があればミッションを中止するつもりです」とのこと。また月からの帰還最中にエンジンを点火させる必要がないことも、ミッションのリスクを低下させているのです。
なお、SLSによるオリオン宇宙船の無人の初打ち上げミッション「EM-1」は2018年8月を予定。こちらは同じく月の裏側を通過しますが、無人なためか25〜26日と長めの飛行日程となっています。そして初の有人ミッションとなるEM-2は2021年に計画され、2026年に予定されているEM-6では地球近くの小惑星を捕獲し、月周回軌道に設置するミッションを行うことになるのです。
2030年代には火星の有人探査を予定しているNASA。その歩みは火星移植を目標にするスペースXほどはダイナミックではありませんが、着実に深宇宙探査に向けて進められるのです。
Image Credit: NASA
■NASA considers shorter first crewed SLS/Orion mission
http://spacenews.com/nasa-considers-shorter-first-crewed-slsorion-mission/?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
スペースX、新型ロケット「スターシップ」第3回飛行試験実施 宇宙船は大気圏再突入の段階まで飛行
sorae.jp / 2024年3月15日 20時55分
-
NASAの商用火星探査ミッション再開に是非を問う声
sorae.jp / 2024年3月14日 8時35分
-
ニコンのカメラ、ふたたび月へ。宇宙特化型「Z 9」NASAと共同開発
マイナビニュース / 2024年3月4日 15時55分
-
NASAとアルテミス計画の支援に関する協定を締結
Digital PR Platform / 2024年3月1日 15時37分
-
中国、開発中の次世代有人宇宙船と月着陸船を「夢舟」「攬月」と命名
sorae.jp / 2024年2月28日 17時3分
ランキング
-
1朝食の有無で「人生の収支」が変わる…東北大の調査でわかった「朝食と年収&就職先」の驚きの相関関係
プレジデントオンライン / 2024年3月28日 7時15分
-
2「友だちの輪」誕生のきっかけにあの世界的巨匠 ハプニングの宝庫「笑っていいとも!」の魅力
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 14時0分
-
3「アメリカの最悪の事態はこれから訪れる」世界最高の知性による未来予測。超富裕層が「人を買い」、裁判や司法制度における不平等が経済主体に
集英社オンライン / 2024年3月28日 8時0分
-
4「回転寿司」でよく食べているネタは? ハマチ・ブリ、マグロを上回った第1位は?
オトナンサー / 2024年3月28日 8時10分
-
5なぜ「紅麹サプリ」で死亡例が起きたのか…健康に良いとされる「機能性表示食品」の制度的な欠陥
プレジデントオンライン / 2024年3月27日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください