相互作用銀河の崩れ行く一瞬を捉えた形状の愛称
sorae.jp / 2019年4月21日 22時36分
りょうけん座の方向約3000万光年先に位置する「NGC 4656」は形が非常に歪んでいる渦巻銀河として知られています。銀河の先端がホッケースティックに様に反っている形状から「ホッケースティック銀河」の名前で親しまれています。
この不思議な形は、「NGC 4656」の周囲にある通称クジラ銀河「NGC 4631」(と小さな伴銀河「NGC 4627」)による銀河間の相互作用と、先端の反った箇所にある銀河「NGC 4657」による衝突合体によるものと考えられています。銀河の合体は進行中であり、将来的には大きな1つの銀河に収束されます。
相互作用や衝突合体は、時に様々な美しい天体としてその姿を再構築します。以前にも紹介した宇宙に咲いた薔薇の様な銀河「Arp 273」など、相互作用銀河の創り出す奇妙な形は、崩れ行く銀河の一瞬を捉えたもの。長い時間をかけて全く異なる形状に進化してく過程であり、ホッケースティック銀河も長い時間をかけて全く異なる形状へと変わっていきます。
なお「NGC 4656」は、ホッケースティック銀河以外の別の愛称も持っており、バールのようなものに見えることから「バール銀河(Crowbar Galaxy)」の名前が用いられることも。この様に、見る人によって様々な形状に見える銀河や星雲は、国によって見方が異なる「月の模様は何に見えるのか」の様な議論を呼ぶ事もあります。
Image Credit:ESA/Hubble & NASA / Josef Poepsel, Stefan Binnewies (Capella Observatory)https://www.spacetelescope.org/images/potw1731a/
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