暗い星座からこぼれ落ちた様な銀河
sorae.jp / 2019年4月23日 23時33分
「ESC 572-20」「LEDA 37496」「UGCA 255」など様々な名称を持つ渦巻銀河「NGC 3981」は、コップ星の方向約6200万光年離れた場所に位置しています。「NGC 3981」は1785年2月にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。
この画像は、超大型望遠鏡「VLT」のフォーカルリデューサーと低分散分光装置「FORS2」によるもので、渦巻銀河の渦巻腕の構造や、盛んに星形成活動が行われている星形成領域、そして青く熱い若い星団を含んだディスクを捉えています。
「NGC 3981」は、地球からの視点では傾斜している為、銀河の中心の明るい銀河バルジや、超大質量ブラックホールを含む高エネルギー領域を調査することができます。さらに、外周の歪んだ渦巻腕は、過去に発生した銀河との遭遇による相互作用の結果であると考えられています。
周囲には沢山の銀河が存在しており、「NGC 3981」は、おとめ座銀河団の「NGC 4038グループ」に属しています。「NGC 4038」は「アンテナ銀河」「触角銀河」として知られる相互作用銀河です。
また、コップ座は暗い星座で目立った明るい星はありませんが、杯の様な特徴的な形をしています。この隅っこに存在する赤丸の部分が「NGC 3981」の位置している部分。それはまるで暗い天にある杯から、こぼれ落ちた一粒の水滴の様でもありますね。
なお、この画像は、教育目的や一般の方々に宇宙に興味を持ってもらう目的でもある「ESO’s Cosmic Gems Programme」の一環として撮影され、2018年9月に公開されました。
Image Credit:ESO
http://www.sci-news.com/astronomy/very-large-telescope-ngc-3981-06403.html
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