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運用終了まであとわずか。打ち上げ16周年「スピッツァー」が捉えた魅力的な天体たち

sorae.jp / 2019年8月29日 19時40分

NASAのジェット推進研究所(JPL)は8月27日、宇宙望遠鏡「スピッツァー」が先日打ち上げから16周年を迎えたことを記念して、これまでにスピッツァーが撮影した写真のなかから特に印象的なものをピックアップして公開しました。

■第二の人生「ウォームミッション」を続けているスピッツァー

2003年8月25日(現地時間)に打ち上げられたスピッツァーは、地球の後を追いながら太陽を周回する軌道に投入されました。赤外線観測の支障となる放熱を抑えるために機体を冷却する仕組みが採用されていましたが、冷却に必要な液体ヘリウムが2009年に枯渇。3つの観測機器のうち2つが使えなくなったことで、当初の観測体制は維持できなくなりました。

しかし、残る1つの観測機器である赤外線カメラ「IRAC」は、液体ヘリウムがなくても一部の波長を観測することが可能でした。現在のスピッツァーは液体ヘリウムを使わない「ウォームミッション」として、IRACによる観測を10年以上続けています。

いわば第二の人生を歩んでいるスピッツァーがこの16年の間に撮影した数多くの画像、その一部をここでご紹介しましょう。

■へびつかい座ゼータ星

地球からおよそ370光年先にある、太陽よりも6倍熱く、8倍大きく、20倍も重い巨星。塵に覆われていなければ、全天でも最大級に明るい恒星として観測されていたことでしょう。スピッツァーはへびつかい座ゼータ星から0.5光年ほど離れた場所にある、恒星風が生み出した巨大で緻密なバウショック(赤く着色)を捉えました。

■プレアデス星団

日本では「すばる」の名でも親しまれている、おうし座の散開星団。ギリシア神話に登場する七人姉妹「プレイアデス」にちなみ「Seven Sisters(セブンシスターズ)」とも呼ばれます。赤外線では星々の周囲に存在する塵の濃淡を波長の違いで識別することが可能で、波長ごとに色分けするとこのようにカラフルな光景が現れます。

■らせん星雲

みずがめ座の方向、地球からおよそ700光年先にある「目」のようにも見える惑星状星雲。太陽のように比較的軽い恒星は、赤色巨星から白色矮星へと進化していく過程でガスを放出してこのような惑星状星雲を形成します。なお、この画像はスピッツァーの打ち上げ4周年を記念して撮影されたものです。

■ソンブレロ銀河

地球からはほぼ真横から見える銀河。M104としても知られています。スピッツァーは銀河を取り囲むように広がる塵のリング(赤く着色)を捉えました。リングは若干歪んでおり、過去に別の銀河と衝突したことを示唆しています。

■車輪銀河

およそ1億年前、小さな銀河が中心付近を通過していったことでリング状に星形成領域が生じ、若い星々の輝きで車輪のように見える銀河。この画像では、赤外線を捉えるスピッツァーの他にも「ハッブル(可視光線)」「チャンドラ(X線)」「GALEX(紫外線)」といった宇宙望遠鏡の撮影した画像が組み合わされています。

一番外側の青いリングは紫外線で捉えたもので、太陽の5~20倍の恒星が誕生していると見られる部分。ピンク色はX線と紫外線が重なって見える領域で、ブラックホールを含む連星系の存在が予想されています。

中心付近でオレンジ色に着色されているのは、可視光と赤外線で見えている、星形成がやや活発な領域。緑色の部分には古い恒星が存在しています。

 

なお、「最低でも2年半」という寿命を大幅に超えて観測を継続してきたスピッツァーですが、来年2020年の1月30日をもって運用終了となる予定です。

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=7488
文/松村武宏

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