火星で自撮り。探査車キュリオシティから最新のセルフィーが到着!
sorae.jp / 2019年10月26日 17時0分
2012年8月以来、火星の地表で7年を超える探査活動を継続しているNASAの火星探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)」、通称「キュリオシティ」。今回、キュリオシティが撮影した最新のセルフィー(自撮り)が公開されました。
■サンプル採取で開けた穴や車体に積もった砂も写る画像が撮影されたのは10月11日、キュリオシティが火星で過ごす2553ソル目(1ソル=火星の1日)のことでした。キュリオシティに向かって左側の地面には、サンプルを採取するためにドリルで開けられた小さな穴が2つ写っています。
着陸当年に撮影されたセルフィー(2012年10月31日に撮影)と見比べてみると、7年前には鮮やかな白を保っていた車体の上面には、現在では赤茶けた砂がたまっていることがわかります。寒く乾燥した大地が広がる火星ですが、昨年には全土を覆い尽くすほどの砂嵐が発生したように、時には荒々しい姿を見せることも。こうした嵐や強風によって舞い上がった砂が、少しずつキュリオシティに積もっているのでしょう。
昨年の砂嵐では、2004年から活動してきた火星探査車「オポチュニティ」が太陽電池による発電ができなくなり、そのまま運用を終えるという出来事がありました。キュリオシティは電力源として太陽電池ではなく「放射性同位体熱電気転換器(RTG)」(放射性物質が崩壊するときの熱から電気を得るための装置)を搭載していたことも功を奏し、嵐を乗り切ることに成功しています。
■来年打ち上げ予定の「マーズ2020」完成に近付くなお、NASAのジェット推進研究所(JPL)では、来年の打ち上げを目指す火星探査車「マーズ2020」の製造が進められています。キュリオシティのセルフィーと時を同じくして公開された映像では、テスト用の車輪を装着して試験に臨むマーズ2020の姿が映し出されています。
また、現在NASAではマーズ2020の名前を募集するキャンペーンを展開しており、応募期限である11月1日が迫っています。キャンペーンの終了が迫るなか、JPLのウェブサイトにはキュリオシティの名付け親であるClara Maさんのインタビューが掲載されています。
10年前の命名当時は12歳だったMaさん。キュリオシティの名付け親になったことが「人生を変えた」と語る彼女は研究者となる道を選び、地球物理学を専攻したイェール大学を今年卒業しています。
命名キャンペーンに応募できるのは、アメリカで教育を受けている幼稚園から12学年(日本の高校3年生に相当)までの子どもたち。マーズ2020の名前は来年2020年2月18日に発表され、同年7月から8月の間に打ち上げられる予定です。
Image: ESA/Hubble, NASA, Suyu et al.
Source: NASA 1,2,3
文/松村武宏
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