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NASA長官、組み立てを終えたSLSのコア・ステージをお披露目

sorae.jp / 2019年12月12日 7時19分

NASAのジム・ブライデンスタイン長官は12月9日、組み立てが完了した新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」のコア・ステージを報道関係者らにお披露目しました。

■急ピッチで準備が進む「アルテミス」計画

完成したSLSコア・ステージ(奥)をお披露目するブライデンスタイン長官(中央の壇上)(Credit: NASA/Bill Ingalls)

ルイジアナ州ニューオリンズのミシュー組立工場において披露されたコア・ステージは、高さ約65m、直径約8.4mのサイズがあり、底部に4基のロケットエンジン「RS-25」を搭載しています。コア・ステージは2011年に退役したスペースシャトルのメインエンジン(SSME)と外部燃料タンクを基礎に開発されたもので、オレンジ色の外装やエンジンの形状にもスペースシャトルの面影が感じられます。

NASAによる月面有人探査再開は2028年が予定されていましたが、今年の3月にペンス副大統領が「5年以内の有人探査再開」を宣言したことで4年前倒しされました。「アルテミス」と命名された有人探査計画では、2024年の「アルテミス3」ミッションにおいて、2名の宇宙飛行士による有人月面着陸が実施される予定です。

司令・機械船と月着陸船を同時に打ち上げたアポロ計画とは違い、アルテミス計画では有人宇宙船「オリオン」と月着陸船が別々に打ち上げられます。宇宙飛行士は月周回有人拠点「ゲートウェイ」でオリオンから月着陸船に乗り換えてから、月面へと向かうことになります。

オリオン、月着陸船、ゲートウェイ、そしてNASAのSLSと、アルテミス計画に必要なハードウェアには実用化されていないものが数多く残されています。SLSコア・ステージのお披露目イベントとなった12月9日の「Artemis Day」において、John Honeycutt氏(SLSプログラムマネージャー)が「製造時の姿勢を垂直から水平に変更することで、コア・ステージを年内に完成させることができた」と語ったことからも伺えるように、現在アルテミス計画のハードウェアは設計、製造、試験が急ピッチで進められています。

SLSの構成を示した図。赤枠で囲んだ部分が今回完成したコア・ステージと4基のエンジン(Credit: NASA、赤枠は筆者による)

SLSは、来年2020年に予定されているオリオン宇宙船の無人テストミッション「アルテミス1」が初飛行となります。無人テストミッションに使われるオリオン宇宙船は、地上試験を受けるために先日オハイオ州の施設へと輸送されました。

なお、アルテミス計画やゲートウェイ建造への参加を表明したJAXA(宇宙航空研究開発機構)では、宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」の後継機である「HTV-X」によるゲートウェイへの補給ミッションを計画しています。HTV-Xの打ち上げに使われる新型ロケット「H3」の初飛行も、SLSと同じく2020年が予定されています。

 

Image Credit: NASA/Bill Ingalls
Source: NASA
文/松村武宏

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