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冥王星を囲む青い光の環、ニュー・ホライズンズが5年前に撮影

sorae.jp / 2020年7月15日 23時9分

ニュー・ホライズンズによって夜側から撮影された冥王星(Credit: NASA/JHUAPL/SwRI)

■今日の天体画像:冥王星のもやの層

青い光の環が真っ暗な円を縁取っているこちらの画像。強力な重力で光の進む向きを曲げるブラックホールを描いた想像図のようにも見えますが、光に取り囲まれているのは太陽系の準惑星「冥王星」です。

画像を撮影したのはNASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」です。2015年7月14日に冥王星へ最接近して表面の様子を撮影したニュー・ホライズンズは、冥王星から遠ざかりつつ、その夜側の様子も撮影しました。真っ暗な冥王星を囲んでいる光の環は、冥王星の大気中に複数の層を成しているもやの層です。

もやは大気中の窒素やメタンなどに紫外線が作用したことで生成された有機化合物(ソリン)の微小な粒子でできているとみられています。NASAやドイツ航空宇宙センター(DLR)が運用する成層圏天文台「SOFIA」の観測データをもとにした分析では、粒子の直径は0.06~0.1マイクロメートル(人間の髪の毛の太さのおよそ1000分の1)とされています。大気中で有機化合物が生成されるプロセスは、土星の衛星タイタンで起きていることと基本的に同じものだと考えられています。

生成される有機化合物の粒子そのものの色は灰色や赤色とされていますが、小さな粒子は青い波長の光を散乱しやすいため、もやの層は青く見えています。粒子はやがて冥王星の地表へと降りていき、表面の赤い色のもとになるとみられています。

もやの層を拡大したもの。冥王星表面の地形が影絵のように見えている(Credit: NASA/JHUAPL/SwRI)

画像はニュー・ホライズンズの撮像装置「Ralph」によって青色、赤色、近赤外線の波長で撮影された画像をもとに作成されたもので、人の目で見た場合の色合いが再現されています。

 

Image Credit: NASA/JHUAPL/SwRI
Source: NASA(1) / NASA(2)
文/松村武宏

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