巨大なフィラメント構造が幾筋も走るケンタウルス座の楕円銀河

sorae.jp / 2020年10月14日 22時56分

楕円銀河「NGC 4696」

楕円銀河「NGC 4696」(Credit: NASA, ESA/Hubble, A. Fabian)

輝きを包み込んだ赤珊瑚のようにも見えるこの天体は、「ケンタウルス座」の方向およそ1億5000万光年先にある楕円銀河「NGC 4696」です。ケンタウルス座銀河団に属するNGC 4696は、同銀河団で最も明るい銀河として知られています。

銀河全体に広がっている赤い部分は、ガスや塵が豊富なフィラメント構造です。研究者の分析によるとフィラメントの幅はそれぞれ約200光年で、周囲のガスよりも密度が約10倍高いことが判明しています。フィラメントは内側へ向かって螺旋を描き、超大質量ブラックホールが存在するとみられる銀河の中心部分を取り巻いているように見えます。

銀河の中心におけるブラックホールの活動は、周囲のガスを加熱して新たな星の材料になる冷たいガスと塵を外側に押し出すことで、星形成活動をシャットダウンすることにつながるのではないかと考えられています。フィラメント構造を持つNGC 4696のような銀河を調べることは、年齢を重ねた星々が多くを占め、若い星を生み出す活発な星形成活動がみられない巨大な銀河を理解することにつながるとして期待されています。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」によって可視光線と赤外線の波長で観測され、2016年12月1日に公開されたものです。また、末尾の画像は同じくハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」によって可視光線と赤外線の波長で観測されたもので、2010年8月12日に公開されています。

ハッブル宇宙望遠鏡のACSによって観測されたNGC 4696(右)(Credit: ESA/Hubble and NASA)

 

Image Credit: NASA, ESA/Hubble, A. Fabian
Source: ESA/Hubble (1) / ESA/Hubble (2) / APOD
文/松村武宏

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