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NASAが久々にボイジャー2号へコマンド送信。アンテナ改修で7ヶ月ぶり

sorae.jp / 2020年11月6日 22時32分

改修作業を受けているディープスペースネットワークの通信アンテナ「DSS 43」

改修作業を受けているディープスペースネットワークの通信アンテナ「DSS 43」(Credit: CSIRO)

NASAのジェット推進研究所(JPL)は11月2日、今年の3月中旬から休止している惑星探査機「ボイジャー2号」へのコマンド送信に成功したことを発表しました。

コマンドの送信が休止しているのは、ジェット推進研究所が運用する通信網「ディープスペースネットワーク(DSN)」を構成する通信アンテナの一つ「DSS 43(Deep Space Station 43)」の改修作業が行われているためです。DSS 43はオーストラリアのキャンベラに建設されたアンテナで、直径は70m。1972年12月に打ち上げられた「アポロ17号」の頃から使用されています。

ディープスペースネットワークのアンテナは南半球のオーストラリアだけでなく北半球のアメリカ(ゴールドストーン)とスペイン(マドリード)にも建設されていて、「ボイジャー1号」とは北半球のアンテナを使って通信することが可能です。

いっぽう、地球から見た位置関係の都合上、南半球のアンテナを使わなければボイジャー2号と通信することができません。キャンベラにある通信アンテナで地球から180億km以上も離れたボイジャー2号にコマンドを送信できるのは強力な送信機を備えていてサイズも大きなDSS 43のみであるため、DSS 43の改修作業が始まったことでボイジャー2号へコマンドを送ることができなくなっていたのです。

ジェット推進研究所によると、DSS 43からボイジャー2号へのコマンド送信は10月29日に実施されました。ボイジャー2号からはコマンドを受信したことを示す信号が返されており、コマンドも問題なく実行されたといいます。

ボイジャー2号との通信に成功したDSS 43は、2021年2月に運用が再開される予定です。ディープスペースネットワークに携わるジェット推進研究所のBrad Arnold氏は今回のコマンド送信と結果の受信について「私たちの作業が順調に進んでいることを明確に示すものです」とコメントしています。

なお、太陽圏を離脱したボイジャー2号から送信されている星間空間の観測データは、キャンベラにある直径34mの通信アンテナ3基を同時に使用することで、DSS 43の改修作業中も受信し続けているとのことです。

ボイジャー2号を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

 

関連:来年までボイジャー2号にコマンドを送れなくなる。その理由とは

Image Credit: CSIRO
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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