40億年前、火星のゲール・クレーターを巨大な洪水が襲ったことが判明
sorae.jp / 2020年11月23日 21時4分
アメリカのコーネル大学、NASAのジェット推進研究所(JPL)などの研究チームは11月5日、40億年ほど前に火星の赤道付近にある直径154kmほどの”ゲール・クレーター”を巨大な洪水が襲っていたことが解ったと発表しました。研究チームは、NASAの火星探査車キュリオシティの画像データを使い、ゲール・クレーターの地質を詳しく分析することによって、これを突き止めました。
研究チームによれば、この巨大な洪水の水深は少なくても24mはあり、時速36km(10m/s)で押し寄せたといいます。24mというと、ほぼ8階建てのマンションの高さに匹敵します。
では、なぜこのような巨大な洪水が発生したのでしょうか?
研究チームが最も可能性が高いと考えているのは次のようなシナリオです。
40億年ほど前に巨大な隕石が火星に衝突しました。当時、火星は冷たく乾燥した気候でしたが、この巨大な隕石の衝突により発生した熱によって、火星の表面を覆っていた氷河(水の氷)が溶け、大量の水蒸気が発生しました。そして、この大量に発生した水蒸気によって、全火星規模で集中豪雨が発生し、巨大な洪水が発生したというわけです。
研究チームによれば、この巨大な隕石の衝突は、同時に、凍っていた二酸化炭素やメタンなども溶かし、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスも大量に発生させました。そのため、前述の水蒸気と相まって、その後、しばらくの間、火星の気候は温暖で湿潤だったと考えられるといいます。ただ、この温暖で湿潤な気候がどれくらい続いたのかについては、まだよく解っていません。
それにしても、巨大隕石の衝突が、しばらくの間、火星に温暖で湿潤な気候をもたらしたかもしれない、というのはとても面白いですよね。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
Source: コーネル大学/論文
文/飯銅重幸
この記事に関連するニュース
-
火星での生命探査にパラダイムシフトを起こすか 米大学院生が提案する斬新なミッション
sorae.jp / 2024年4月12日 9時22分
-
「ボイジャー1号」のデータが読み取り不能になっている原因をNASAが特定 修復には楽観的
sorae.jp / 2024年4月9日 21時0分
-
最低でも20km 木星の衛星「エウロパ」表面の氷の厚さを衝突地形から推定
sorae.jp / 2024年4月6日 21時10分
-
火星で巨大な火山を新たに発見? 山麓には大量の氷が埋もれている可能性も
sorae.jp / 2024年3月30日 17時30分
-
「DART」の衝突で「ディモルフォス」の形は大幅に変わった可能性
sorae.jp / 2024年3月27日 21時42分
ランキング
-
1ゲームプログラミング入門書、横浜の15歳が完成 「ないなら自分で書く」制作経験盛り込んだ380ページ
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年4月22日 11時30分
-
2札幌市、長谷川岳参院議員と職員との面談はすべて録音へ 威圧的な言動を抑止
産経ニュース / 2024年4月23日 16時28分
-
3迷惑おじさんキャンパーの“ある行動”のせいで家族キャンプが台無し。注意するとまさかの反応
女子SPA! / 2024年4月14日 8時47分
-
4【SBK第3戦オランダ】代役出場のニコラス・スピネッリがレース1、ラズガットリオグルがレース2を制覇
バイクのニュース / 2024年4月22日 17時10分
-
52ストロークエンジン車は、なぜあまり見かけなくなったのか?
バイクのニュース / 2024年4月22日 9時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください