無数の銀河を背景に美しく輝く“ペルセウス座”の渦巻銀河
sorae.jp / 2021年1月6日 21時16分
こちらは「ペルセウス座」の方向およそ3000万光年先にある渦巻銀河「NGC 1003」です。中心部分の明るく黄色っぽいバルジを取り巻く渦巻腕には高温の若い星が多く存在することを示す青い領域や星形成活動が盛んな赤いHII領域があちこちに存在しており、まるで色とりどりの花が咲き乱れる広大な花畑のようです。
ここに写っているのはカラフルなNGC 1003だけではありません。ぱっと見ただけでもNGC 1003の周囲には別の渦巻銀河が幾つか写っていることがわかりますし、よく目を凝らしてみると、渦巻腕を持たない黄色っぽい楕円銀河や赤く小さく写る遠方の銀河が無数にあることがわかります。
なかには背後の銀河よりもずっと地球に近い天の川銀河の星もありますが、にじんだ点のように見える光の多くは単一の星ではなく、ひとつひとつが何百億、何千億もの星々が集まった銀河なのです。NGC 1003の背後には銀河団が広がっており、70分間の長時間露光で撮影されたというこの画像には銀河団に属する数々の銀河が詳細に捉えられています。
遠方に存在する無数の銀河を捉えた画像といえば「ハッブル」宇宙望遠鏡が南天の「ろ座」(炉座)の方向を撮影した有名な「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(HUDF)」や、HUDFの範囲を含む満月1つ分ほどの範囲を捉えた「ハッブル・レガシー・フィールド」などがありますが、NGC 1003のように天の川銀河の比較的近くにある銀河から遥か遠く銀河までが一度に捉えられている画像もまた、この宇宙の奥行きの深さを感じさせてくれます。
冒頭の画像はアメリカのキットピーク国立天文台にある口径4mのメイヨール望遠鏡によって撮影され、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)から2021年1月5日付で公開されています。
関連:26万の光は全て銀河。133億年の歴史を示す「京」個の星達
Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA
Source: NOIRLab
文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
4000万光年先で輝く極リング銀河の姿 “おおぐま座”の「NGC 2685」
sorae.jp / 2024年4月19日 20時25分
-
優雅に渦巻く“ケンタウルス座”の棒渦巻銀河「NGC 3783」 ハッブル宇宙望遠鏡で撮影
sorae.jp / 2024年4月16日 21時36分
-
南天“ふうちょう座”の渦巻銀河「IC 4633」 ハッブル宇宙望遠鏡などが撮影
sorae.jp / 2024年4月12日 21時7分
-
ゆがんだ渦巻銀河と小さな銀河のペア「Arp 72」ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年4月4日 21時28分
-
大マゼラン雲で輝く宝石箱のような球状星団「NGC 1651」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年3月29日 21時40分
ランキング
-
1平均月23万円だが…〈初給与〉に心躍る大卒新入社員〈給与明細〉を見て愕然「天引き額が多すぎる!」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月25日 7時15分
-
2初期から老眼鏡をかけっぱなしにすると「老眼」が早く進む【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月25日 9時26分
-
3「健康食品は健康に悪い」という不都合な事実…紅麹サプリ問題で明確になった健康食品の恐ろしいリスク
プレジデントオンライン / 2024年4月25日 9時15分
-
4ビジネスシーンでの「方言」どう思う? 「標準語にすべき」「方言でも問題ない」意見真っ二つ! マナーコンサルタントの見解は
オトナンサー / 2024年4月25日 7時10分
-
5究極の卵料理「ウフマヨ」が簡単に作れちゃう! 農水省がレシピを伝授
オトナンサー / 2024年4月24日 22時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください