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Hondaが宇宙領域へ参入 循環型再生エネルギーシステム、再利用型小型ロケットの開発を行う

sorae.jp / 2021年10月7日 17時3分

自動車産業として有名な株式会社本田技術研究所(Honda)が宇宙領域への参入をすると発表しました。

9月下旬に発表された「Hondaの新領域への取り組みについて」というプレスリリースには、同社がすでに持っている技術を生かして新しい分野・領域にチャレンジすると記載されています。現在開発を行っている「Honda eVTOL(電動垂直離着陸機)」やバーチャル移動を可能にする「Hondaアバターロボット」も同様に新領域への挑戦として公表されました。この記事では同社が公表した宇宙領域に関する取り組みを説明します。

Hondaが目指す新領域への挑戦(Credit: Honda)

【▲ Hondaが目指す新領域への挑戦(Credit: Honda)】

Hondaによると、同社は宇宙領域を「コア技術を生かした”夢”と”可能性”への新たなチャレンジの場」としています。そして自動車に使用されている燃焼や誘導制御技術、燃料電池技術、アシモなどで培ったロボティクス技術などを生かして、研究開発を行うという事です。

現在世界中で月面探査や月面移住に関するプロジェクトが進められています。Hondaは月面での循環型再生エネルギーシステムを構築することを目指して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で研究を実施。この共同研究は、月面に存在する水とその利用に関するものであり、システムにはこれまで開発してきた燃料電池技術と高圧水電解技術を生かすということです。同社が持つ技術により、再生可能エネルギー由来の電力を用いて水を電気分解することで水素と酸素を貯蔵します。そして水素と酸素から燃料電池技術を使い発電し、電力の供給するという構想です。さらに酸素は月面滞在中の人間が使用する気体として、水素はロケットの燃料とするなど他の使用方法もあります。

月面における循環型再生エネルギーシステム。JAXAと共同で研究している。(Credit: JAXA/Honda)

【▲ 月面における循環型再生エネルギーシステム。JAXAと共同で研究している(Credit: JAXA/Honda)】

このようなエネルギーシステムの他にも、地球で月に居るかのような体験を可能にする月面における遠隔操作ロボットの開発も行っているということです。このロボットの開発は、今年2月にJAXAの宇宙探査イノベーションハブにおける研究テーマとして採択されました。宇宙探査イノベーションハブとは、様々な分野の知識や人材を集めることにより、新たな宇宙探査の技術などを構築する活動で、JAXAが主導して行われています。

またHondaによると、再使用型小型ロケットの開発を行っているということです。ロケットは低軌道向けの衛星を打ち上げることを目標としています。さらに自動運転技術開発の過程で得た制御や誘導技術を応用することで、打ち上げ後にロケットの一部を地球へ帰還させて着陸し、再利用することも想定しているということです。

Hondaが持っている技術を生かした再利用型小型ロケット(Credit: Honda)

【▲ Hondaが持っている技術を生かした再利用型小型ロケット(Credit: Honda)】

株式会社本田技術研究所の代表取締役社長を務める大津啓司氏は「いずれも新領域へのチャレンジとなりますが、技術で人びとの生活を豊かにしたいというHondaの想いは不変です。そして創業以来、こうしたチャレンジの源泉となっているのは、独創的な技術やアイデアを生み出す人材そのものです。今後も新たなモビリティの創造を通じて移動にまつわる価値を変え、社会をより良く変えていくことを目指します」とコメントしています。

 

Image Credit: JAXA/Honda, Honda
Source: Hondaプレスリリース
文/出口隼詩

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