幽霊のような物質「ダークマター」のマップ アメリカ自然史博物館プラネタリウムで紹介
sorae.jp / 2021年12月4日 20時27分
目に見えない幽霊のような物質「ダークマター」(暗黒物質)!
いまやダークマターなしに宇宙を語ることはできなくなっています。例えば、銀河の回転速度や銀河団の高速度移動、重力レンズ現象などはダークマターによる強い重力が主な原因と考えられています。また、宇宙マイクロ波背景放射との関わりも指摘されています。
アメリカ自然史博物館のヘイデンプラネタリウム(Hayden Planetarium)の宇宙ショー「ダークユニバース」で紹介されている画像は、ダークマターがわたしたちの宇宙の至る所に広がっている様子を示しています。
詳細なコンピュータシミュレーションによるこの画像では、黒で示されたダークマターの複雑なフィラメントがクモの巣のように宇宙に散らばっている一方で、比較的まれなバリオン物質(原子からなる通常の物質)の塊がオレンジ色で示されています。これらのシミュレーションは、天文学的な観測結果と統計的によく一致しています。
ダークマターはまだまだ解明すべき未知の存在ですが、もはや宇宙で最も奇妙な重力源ではないと考えられています。この「名誉ある地位」は、現在ではダークエネルギーに引き継がれています。ダークエネルギーは、反発力(斥力)を持つ重力源であり、宇宙全体の膨張を支配しているように思われています。
関連:ダークエネルギーを検出か? ダークマター検出器「XENON1T」の研究成果
ところで、冒頭の画像は2021年10月31日付けのAPOD(Astronomy Picture of the Day)に掲載されました。
10月31日といえばハロウィン。ハロウィンといえば幽霊を連想するので、幽霊のような物質「ダークマター」とかけたのでしょうが、近年10月31日を「ダークマターデイ」(DARK MATTER DAY)として祝い、さまざまなイベントも行われているようです。
日本でも、高エネルギー加速器研究機構では特設サイトを設け、ダークマターの説明とともに、とても可愛い「ダークマター」が動き回っています。
Image Credit: Tom Abel & Ralf Kaehler (KIPAC, SLAC), AMNH
Source: APOD、DARK MATTER DAY、高エネルギー加速器研究機構
文/吉田哲郎
この記事に関連するニュース
-
ダークマター粒子の正体、銀河形成...宇宙の未解決問題を一石二鳥に解決する革新的な検出器
sorae.jp / 2024年4月15日 21時0分
-
南天“ふうちょう座”の渦巻銀河「IC 4633」 ハッブル宇宙望遠鏡などが撮影
sorae.jp / 2024年4月12日 21時7分
-
ゆがんだ渦巻銀河と小さな銀河のペア「Arp 72」ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年4月4日 21時28分
-
空中分解したX線天文衛星「ひとみ」にも搭載 ミクロの世界の観測で日の目をみた「コンプトンカメラ」
sorae.jp / 2024年4月4日 17時27分
-
総質量が太陽の280億倍もあるブラックホール連星 ある問題解決への糸口となるかも?
sorae.jp / 2024年3月28日 21時25分
ランキング
-
1東海道新幹線の「個室」が100系以来、四半世紀ぶりに復活! 「どこに設けられる?」JR東海に聞いた
オールアバウト / 2024年4月19日 21時45分
-
2少人数学級・特別支援学級・産育休…少子化でも教員が足りなくなる3つの理由
産経ニュース / 2024年4月19日 19時41分
-
3洗濯機が臭いです。掃除は毎月やらないとだめですか? 【家電のプロが回答】
オールアバウト / 2024年4月19日 20時15分
-
4SNSでも「かわいい」「癒し」と話題に! セリアで急増中の「シマエナガ」グッズ15選【一挙紹介】
オールアバウト / 2024年4月18日 20時45分
-
5744自治体、消滅可能性 4割超、30年間で女性半減
共同通信 / 2024年4月19日 21時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください