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駐車場に係る小規模宅地の特例の取扱いについて元国税の税理士が解説!

相談LINE / 2021年9月14日 20時0分

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前回、相続税の駐車場の評価について見ていきましたが、今回はその他押さえておくべき注意点として、駐車場に係る小規模宅地の特例の取扱いについて解説します。

■小規模宅地の考え方

地主の相続税評価については、前回も申しました通り、地主が直接自分で駐車場の経営を行っている場合には、それが青空駐車場であってもアスファルト舗装していても、計算は変わらず自用地になると申し上げました、しかし、青空駐車場とアスファルト舗装で大きく取扱いがが異なる部分があります。それは、小規模宅地の特例の適用についてです。

被相続人が事業で使っていたような宅地については、一定の要件を満たすと最大で80%、評価減を受けることができるのがこの小規模宅地の特例です。この特例は、駐車場業も対象にしており、駐車場業に該当すれば貸付事業用宅地等という宅地に該当することになり、200㎡まで、50%評価減を受けられます。

ただし、小規模宅地の特例の要件として、建物や構築物の敷地の用に供されている場合に適用されると法律で規定されています。青空駐車場は建物や構築物の敷地ではありませんので、小規模宅地の特例の対象にはならないのです。

一方で、アスファルト舗装をしていれば、それは税務上構築物に当たるとされます。このため、小規模宅地の特例の対象とされるのです。

言い換えれば、青空駐車場については、相続税対策としてはアスファルト舗装をするなどの対応を考えるべきということになります。

■土地を業者に貸す場合の取扱い

同様に、土地を業者に貸して、その業者が駐車場業を行う場合にも、原則として貸付事業用宅地等に該当します。この場合には、前回も見ました通り、賃借権の控除もできますので注意してください。

■居住用の宅地と駐車場が隣接している場合

その他、居住用の宅地と駐車場が隣接しており、両者が一体と判断される場合には注意が必要です。この場合、両者は一体ですから、駐車場を含めて居住用宅地として評価されることが原則とされます。

被相続人が居住の用に供していた宅地について、一定の要件を満たす場合には、小規模宅地の特例の適用上、特定居住用宅地等として取り扱われます。この宅地であれば、最大で330㎡まで、80%の減額を受けることができます。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。



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