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「遺産は絶対に私のもの!」と遺言を誘導された場合、どうやって立証するの?

相談LINE / 2014年12月9日 21時0分

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「遺産の相談をしていた弁護士に6億円相当を贈与」と、認知症女性の残した遺言書の有効性について、女性の姪が無効であると主張した訴訟の控訴審判決が10月30日にありました。大阪高裁は姪の請求を認め、弁護士の控訴を棄却しました。判決によると2003年の12月に「私のいさんは後のことをすべておまかせしている弁ご士にいぞうします」という遺言書を作成し、09年に92歳で死亡。その後、遺言書に基づき弁護士は贈与を受けました。裁判長は、遺言書作成能力が欠如していたとまでは認められないが、「本来なすべき助言や指導をしておらず、著しく社会正義に反する行為だ」と批判しました。今回は遺言を誘導された恐れがある場合、それをどうやって立証するのか中島宏樹弁護士に話を聞いてみました。

■もしも遺言書を特定の人物に有利になるように誘導されていた場合、どうやって立証するのでしょうか?

そもそも、遺言は、遺言者の単独行為であり、かつ、遺言書がなければ遺産は相続人に平等に分配されるのであり遺言書が存在する以上、程度の差こそあれ不平等が存在するのが通常です。
したがって、遺言書の内容が特定の人に有利な内容であるというだけでは、原則として、遺言の有効性に問題が生じることはありません。

ただし、遺言が有効となるためには、遺言者の意思に基づいて遺言が作成されていることが必要となりますので、その遺言が遺言者の意思に基づかない場合には、無効となります。

例えば、遺言者が重度の認知症で遺言能力(15歳程度の判断能力、民法961条参照)を欠いた状態で作成された遺言は無効となります。
この場合、遺言者の認知症の発症時期、認知症の程度等を、精神科への通院記録、診断書、精神科の診療記録、近親者の証言、などによって立証していくことになります。

また、遺言書が自筆による場合、遺言が有効となるためには、遺言者が全文を自書していることが必要となります(民法968条)ので、その遺言が遺言者の自書によらない場合には、無効となります。
例えば、遺言者以外の者が作成あるいは、内容を変更した遺言は無効となります。
この場合、葉書や年賀状などの遺言者の生前の筆跡と、遺言書の筆跡を比較することによって立証していくことになります。

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