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居住用財産の3千万円控除の「居住」がどんな定義か税理士に聞いてみた

相談LINE / 2017年7月3日 19時0分

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居住用財産を売却した場合に、譲渡所得から3千万円の控除が認められるという特例がありますが、この判断で往々にして問題になるのは、「居住」の用に供していたかどうかの判断です。居住している、という判断を前提にすれば、一般的には住民票で見れば足りることになると考えがちですが、住民票は絶対的な基準ではありません。実際のところ、引越ししても住民票を変えない場合もありますが、実際に居住をしていたのであれば、居住用財産として、3千万円控除の対象とすることができるとされています。なお、住民票の住所とマイホームの所在地が違う場合には、戸籍の附票の写しなど、マイホームを居住の用に供したことを明らかにする書類を確定申告書に添付しなければならないとされています。

■実際の居住の判断

実際に居住していたかどうか、その判断において国税は以下のようなポイントをチェックしています。

(1)公共料金の支払状況

電気・ガス・水道などの公共料金は、居住していれば確実に発生するものですので、その支払状況を確認すれば、居住していたかどうかの判断において参考になります。

(2)郵便物の受領状況

居住地に郵便物は配送されるはずですから、受領状況について確認されます。

(3)その他の住所の届出状況

住民票以外の、勤務先などに届け出ている住所なども参考に、居住していたかどうかの証拠として確認します。

■その他の注意点

その他、マイホームに居住していればその家屋は原則として本特例の対象になりますので、居住していた期間が短期間であっても問題ありません。ただし、自宅の建て替え期間中の仮住まいなど一時的に居住する目的で居住している物件については、この適用はありませんので、仮住まいでないことについて、立証する必要があります。

加えて、本特例の適用を受けるためだけに入居したと認められる場合には、国税からこの特例の適用を否認される可能性がありますので、注意が必要です。

なお、本特例は生活する上で必要となる、マイホームを売ったことに対して税金をかけるとなると、今後の生活が困難になることを踏まえたものですから、生活に必要とは言えない、別荘などの主として趣味、娯楽または保養の目的の家屋についても対象になりません。

専門家プロフィール:元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。実質完全無料の相談サービスを提供する。

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