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「親から借りたお金」に贈与税がかかるかどうかの判断と注意事項を税理士が解説

相談LINE / 2017年11月13日 19時0分

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贈与税でよくある問題点の一つに、贈与か貸付か、という話があります。親子や兄弟間でお金を貸し借りすることはよくありますが、親子であれば返済について取り決めず、お金がある時に返済すればいい、こんな形でお金を融通することが多いと思います。
この場合、返済を求めない以上は、貸付ではなく贈与に当たると国税が認定して贈与税の対象になる、と指導されることがあります。こうなってしまえば、貸し付けたはずの元金の全額に贈与税が課税されてしまいますから、後日の証拠として、金銭消費貸借契約書を作成するとともに、きちんとスパンを決めて返済するようにしましょう、と言われます。

■利息は取った方がいいか

このように、お金を貸し付けた証拠を残すことが重要なのですが、上記に加えて、利息を取った方がいいのではないか、と相談を受けることがあります。利息を付さずにお金を貸す、ということは常識としてはあり得ませんので、このように言われる訳ですが、あくまでも私の個人的な考えとしては、利息を取る必要はないと考えています。

利息を取った方がより貸付けがあったと見られやすいことは事実ですが、利息を付さずに貸すことも実務上はあり得ますし、最終的にはお金を返す意思があるのであれば贈与にはなり得ませんので、この点問題はないと考えます。

■利息を付さない場合の注意点

私はこのように、無利息で貸しても問題ないと考えていますが、注意しておきたいのは贈与税の計算上、無利息でお金を貸した場合、お金を貸した人が借りた人に対して、適正な利率によって計算される利息相当額を贈与した、という取扱いがなされることです。利息相当額を贈与したことになる以上、お金を借りた人に対して、贈与税が課税される可能性があります。

ただし、貸すお金にもよりますが、今の利率はそれほど高くはありませんので、贈与税がかからない課税最低限である年間110万円もの利息が計算されることは多くないと考えます。このため、こういう取扱いはあるものの、大きな問題になることは少ないでしょう。

■利息を取れば当然

一方で、それでも利息を払った方がいいとお考えになる方もいらっしゃると思いますが、利息を払えばお金を貸した人は所得を得ることになりますので、その所得に対しては所得税の課税対象になります。場合によっては、申告も必要になりますので、あまり得策ではないかと考えています。

もちろん、人によって状況は変わりますから、詳細に検討したい場合には、税理士に相談をしてください。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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