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法人から個人・個人から法人・法人から法人へ無利息貸付をした場合の税務

相談LINE / 2017年11月17日 19時0分

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前回、無利息でお金を貸した場合の取扱いについて解説しましたが、実は前回の取扱いは、貸主及び借主の両方が個人である場合の取扱いです。実は、貸主と借主、それぞれが個人か法人かで微妙に課税関係が変わってきますので、注意が必要です。
なお、個人間の場合には、無利息貸付を受けた個人について、贈与税の課税関係が発生する場合があります。

■法人が個人に無利息貸付けをした場合

法人税は、時価課税の原則がありますので、無利息でお金を貸したとしても、時価である適正利率でお金を貸したとして取り扱われます。このため、法人の無利息貸付については、法人において適正利率で計算される利息を収益として計上する必要があります。

一方で、無利息貸付を受けた個人についても、無利息でお金を貸してもらったという利益がありますから、法人から適正利率で計算される利息に相当する金銭の贈与を受けたことになります。

ただし、ほとんどの無利息貸付けは、法人がその役員や従業員に対して行うものです。この場合には、役員や従業員は雇用関係などがあるため無利息貸付けを受けられるとして、このようなケースについては給与として所得税が課税されます。

■個人が法人に無利息貸付けをした場合

少し専門的になりますが、個人がタダでお金を貸した場合、借りた側には適正利率で計算される利息に相当する所得が発生しますが、貸した方には所得は発生しません。一方で、法人がタダでお金を貸した場合、お金を貸した方には適正利率で計算される利息に相当する所得が発生しますが、借りた方には所得が発生しません。

このため、この場合には、何の課税関係も生じないことになります。

■法人間の無利息貸付け

最後に、法人間の無利息貸付けですが、先に述べた通り、お金を貸した方には適正利率で計算される利息に相当する所得が発生しますが、借りた方には所得が発生しないことになります。注意点として、お金を貸した法人は、お金を借りた法人に対して、適正利率で計算される利息に相当する金銭の贈与を受けたことになり、寄附金課税の問題が生じます。

このような法人間の無利息貸付けは、グループ会社間で行われることがほとんどですので、税務調査でもかなり厳しくチェックされます。このため、利息を計上していない場合には、注意が必要です。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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