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親の土地に家を建てた場合の借地権の解釈と相続や贈与との課税関係を解説

相談LINE / 2017年11月24日 19時0分

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前回、権利金のやり取りがない借地権の課税関係について述べましたが、このうち貸主・借主が共に個人である場合、原則として贈与税の課税関係が生じることになります。原則として、と記載しましたが、実際のところ贈与税が課税されることはほとんどありません。

■親の土地に子供が家を建てた場合の権利金は発生しないことが殆ど

個人間で土地を貸す、といった場合、その多くは親子間などで行われます。例えば、親が持つ土地を子に貸し、子はその土地の上に居宅を建て、親と同居する。このようなケースが該当します。言うまでもないかも知れませんが、このようなケースについては、権利金を支払うことはありませんし、地代として子が親にお金を払う、といってこともありません。このようにいわゆるタダで貸し借りをすることを法律的には使用貸借といいます。

土地の使用貸借が個人間で行われた場合、権利金のやり取りがなくても、贈与税の対象にならないというルールがあります。

■使用貸借のデメリット

このように、使用貸借で土地を貸せば贈与税の問題は生じませんが、そのデメリットとして、相続税における土地の評価が大きくなることがあることを押さえておく必要があります。通常、建物を建設するため他人に土地を貸した場合、地主はその土地の相続税評価額の計算上、借地権相当額を控除することができるとされています。借地権が設定された以上、地主はその分土地を使えませんから、控除できるとされているのです。

一方で、使用貸借で土地を貸したとしても、相続税の計算上、借地権相当額の控除はできません。使用貸借はタダで貸すため、借地権のような強い権利を借主は持っていないとされています。このため、借地権がついていない、自分の持っている土地と同様の評価となります。

■小規模宅地の特例と使用貸借

ただし、使用貸借している宅地については、同一生計に係る小規模宅地の特例の適用ができる場合があります。小規模宅地の特例は、被相続人の居住用宅地を相続人が申告期限までに相続し、自己の居住の用に供した場合などについて、宅地の大きな減額を認める制度です。この制度上、被相続人から子が使用貸借している土地の上にマイホームを建て、そのマーホームで被相続人と子が生計を一にし、かつその宅地を子が申告期限までに相続すれば、この特例を使うことができます。

少し専門的ですので、詳細は税理士までお尋ねください。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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