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【帰属の判断】親の土地を子が資産運用した場合、申告者は親と子のどちら?

相談LINE / 2018年1月24日 19時0分

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税金の計算上、所得の帰属という問題が生じる場合があります。具体例を申しますと、例えば会社の従業員が、会社の名義を利用して取引先からリベートをもらって私腹を肥やしていた場合、そのリベートは従業員の所得になるか、会社の所得になるかが問題になります。

これだけ聞くと、リベートを貰っているのは従業員なので会社は関係ない、とお考えになるかもしれませんが、取引先は会社のバックボーンがあるからこそその従業員にリベートを払ったという側面があることは否定できません。結果として、会社の所得になるか従業員の所得になるか、往々にして問題になります。

■不動産所得の場合

この所得の帰属の問題は、不動産所得においてもよく問題になります。不動産所得における所得の帰属の大原則は、不動産所得をもたらす資産の所有者、すなわち建物や土地の所有者に所得が帰属するということです。

このため、所有者が誰かを考えれば、原則として問題になりません。

■使用貸借の場合

実務上、誤りがおおい事例を二つほど紹介します。一つは、使用貸借に関する事例です。

親が持っている土地を子が無償で借りて、他人に駐車場として貸す、といった事例はよく見られます。この無償で借りることを使用貸借と言います。

老年の親が土地を持っていても、なかなか有効活用できないため、行動力のある子が親に代わって資産運用するために、親から土地を使用貸借して他人に貸すといった事態は非常に多いのです。この場合、他人からもらう賃料については、所有者はあくまでも親ですから、親が不動産所得の申告をしなければなりません。実際に土地貸しは子が中心に行っているため、子の不動産所得として申告するミスが多いですから、注意が必要です。

■共有物件の場合

不動産投資をする際、土地と建物を夫婦で1/2ずつ共有にし、実際の不動産投資事業は夫が中心に行っているといったことが多く見られます。この場合、妻は持分を持っているものの、不動産投資事業はほとんどわからないため夫が賃料の全額を不動産所得として申告する、といったミスが多く見られます。

不動産所得は、不動産の貸付けを誰が主体的に行っているかではなく、あくまでも資産の所有者が申告することが大前提ですから、この場合には共有持分に応じて、1/2ずつ夫婦が申告することになります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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