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【税制改正】資本金1億円以上の企業に義務化された電子申告の注意点を解説

相談LINE / 2018年4月19日 19時0分

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平成30年度税制改正により、大法人に対しては、平成32年4月1日以後開始する事業年度について電子申告により申告を行うことが義務化されることになりました。ここでいう大法人とは、原則として資本金が1億円を超える法人をいうこととされています。
なお、電子申告が義務化される申告の税目は、法人税や法人住民税及び事業税、消費税などです。

■電子申告できない場合の取扱い

上記の通り電子申告が義務付けられるため、仮に電子申告をせずに紙ベースで申告をすると、原則として無申告として取り扱われることになります。ただし、サイバー攻撃や災害などでインターネットが利用できず、紙で申告することについて税務署から承認を受ければ、紙ベースで申告することも可能とされています。

無申告として取り扱われるということは、無申告に対するペナルティーである無申告加算税が課税されるということを意味します。この点、申告期限内に申告書の主要な部分が電子によって提出されていれば無申告にはならないという取扱いが設けられる予定ですが、主要な部分とは申告書のどの部分をいうのか現状不明ですので、今後の動向に注意する必要があります。

■添付書類の簡素化

これだけ聞くと、電子申告が義務化され厳しいとお考えになると思いますが、所定の要件の緩和もなされます。一例として、土地を収用された場合に原則として5000万円の控除が認められる制度を受ける場合に必要になる収用証明書等の一定の書類について、申告書に添付する必要がなくなるとされています。

■内訳書などのデータ形式の柔軟化

加えて、大きな手間の削減につながると考えられているのが、内訳書や別表、そして財務諸表などの書類について、エクセルで作成して提出できるようになるとされていることです。内訳書とは会社の決算書の各勘定科目の内訳を記載する書類であり、別表は法人税の税務調整を行う書類で、両方とも申告書に添付しなければならない書類です。これらについては、別途電子申告の形式で作成する必要が現状はありますが、今後はエクセルで作ったデータを利用できますので、企業の既存のデータを流用できることになります。

■要件緩和は中小も

上記のデータ形式の柔軟化や添付書類の簡素化は、電子申告が義務付けられる大法人に限らず、中小企業もその対象になります。まだまだ使い勝手の悪い電子申告ですが、この義務化を契機として、より利用しやすい制度になると期待されています。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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