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借地権の取引慣行がない地域かどうか調べるなら◯◯を見ればすぐに判断可能

相談LINE / 2018年4月24日 19時0分

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建物を建てるために地主から有償で土地を借りる場合、原則として相続税法においては借地権という土地の賃借権を認識する必要があるとされています。このため、仮に借地権を有している被相続人に相続が発生する場合、その被相続人の相続税の申告においては、原則として相続財産として借地権を申告する必要があります。

■借地権の評価とは

借地権の評価については、原則として以下とされています。

「底地の評価額 ✕ 借地権割合」

なお、借地権割合は、毎年国税から公開される倍率表などに明記されています。

■取引慣行のない借地権

借地権の評価は上記の通りでシンプルなのですが、税理士の実務上よく迷うことのひとつに、「借地権の取引慣行」という用語があります。相続税においては、その通達で借地権の取引慣行のない地域における借地権は評価しないとされています。この取引慣行のない地域に当たるかどうか、その解釈がよくわからないという疑問がよく聞かれます。

取引慣行がない、というと一般的には借地権の権利金を取引する慣行がないということを意味すると言われています。住居を借りる際の礼金を想定してもらえばと思いますが、都心などでは土地を借りる際にもこの礼金に類似した権利金を借地人が地主に支払うことが原則です。その一方で、このような権利金を収受してしまうと、土地の借手がつかないというような地域では、権利金は不要とすることもよくあります。

以上を踏まえて、権利金の支払いがないような地域が取引慣行のない地域であり、その地域であれば借地権を申告する必要はないと考える税理士も実は多数います。中には、個人的な感覚では権利金の支払いがない地域だから借地権も評価しなくていい、などと主張する税理士もいます。

■倍率表で割合がない地域

しかし、このような理解は誤りです。借地権の取引慣行のない地域とは実は非常にシンプルで、倍率表などに借地権割合が書かれていない地域を意味します。評価しないわけですから、借地権割合も書かないという対応を国税はしているのです。

このため、権利金を支払う慣行があるかどうかなどを調べなくとも、倍率表などを見て判断すれば足ります。間違っても、個人的な感覚で、「この地域は権利金を取ると土地の借り手がつかないから評価しなくていい」などと判断してはいけません。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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