不動産取得税や登録免許税などの流通税の節税として注目されている信託とは

相談LINE / 2019年10月10日 19時0分

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所得税や相続税の節税の観点から、個人で所有する不動産を、資産管理会社に移したいというニーズが昔からあります。個人で持っていれば累進課税で課税されるため所得税が大きくなりますし、相続税の対象にもなります。それを法人に移転すれば、法人で利益を家族に分散することもできますし、相続財産が低い金額で評価される株式に転換されます。
こういう訳で、不動産投資の節税の王道は法人化ですが、その際にネックになるのが登録免許税などの流通税です。法人に不動産を売却する場合、原則として流通税として、以下の税金がかかります。

■流通税

1 不動産取得税
(1) 土地 固定資産税評価額の3% (2) 建物 固定資産税評価額の4%

2 登録免許税 
(1) 土地 固定資産税評価額の15/1000 (2) 建物 固定資産税評価額の20/1000

これらの流通税を削減する方法として、信託が注目されています。

■信託の流れ

信託とは、財産の運用などを委託する者(委託者)が、その委託を受ける者(受託者)に資産を移転し、その受託者が運用した利益を受ける者(受益者)に受益権という利益を受ける証券を発行して、利益を移転するスキームを言います。

先の流通税の削減の場合、不動産を持っている個人が委託者兼受益者となり、不動産を運用する資産管理会社を受託者として信託を組成します。その後、その個人が受益者として持っている受益権を、資産管理会社に譲渡します。

こうした場合、登録免許税は原則として以下の通り計算されます。

1 所有権移転及び信託登記
(1) 土地 固定資産税評価額の3/1000 (2) 建物 固定資産税評価額の4/1000

(2) 受益権売買による受益者の変更登記
物件の数×1000円

加えて、不動産取得税については、不動産を受託者に信託しても課税されないとされています。その他、このスキームで信託受益権を委託者が受託者に売買しても、不動産取得税は原則として課税されないとされています。

■信託した場合の法人税等はどうなる?

上記をご覧いただくとわかる通り、流通税は大きく節税できますが、問題になるのは所得税や法人税の課税関係です。信託の課税関係はシンプルで、原則として受益者が信託された財産を保有しているという課税関係になります。このため、不動産を信託する場合には、受益者が不動産賃料をすべて申告することになり、委託者と受益者が異なる場合には、受益者に資産を譲渡したという取扱いになります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ 税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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