新井浩文が呼んだ派遣型マッサージを体験取材。危険な派遣型を選ぶ女性たちの事情

日刊SPA! / 2019年3月3日 15時51分

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「資格、特殊技能要らず」。手っ取り早く稼げるが、風俗には抵抗のある女性には人気の派遣型マッサージ。有名俳優が起こした強制性交事件でにわかにスポットが当たる業界の“本音”は!?

◆急拡大の「メンズエステ」の裏で客の“狼藉”に悩むマッサージ嬢

 俳優・新井浩文逮捕――。連日、メディアの見出しを飾るこの事件。2月1日、新井被告は自宅に呼んだ派遣型マッサージ店の女性セラピストに対し、強制性交を働いた疑いで逮捕された。

 今回、新井が利用したとされる店は、性的な行為を行わない、いわゆる健全店。マッサージ店の中には、手コキやフェラチオなど性的サービス(裏オプ)を行う違法店もあるが、ここはあくまでマッサージ専門のセラピストの派遣を謳う店だ。ホームページにもはっきりと「当店は風俗店ではございません」との注意書きもある。

 そこで記者は、新井被告が利用したと噂される東京都内の店に潜入取材を試みた。

◆新井は氷山の一角。変態紳士も多い

 同店の料金はホテル代別途で90分1万5000円(指名なし、交通費込み)。違法店の場合、90分以上のコースを選択すると性的サービスを受けられる可能性が高いという“業界の噂”がある。

 記者が指定のビジネスホテルの一室で待つと、まず部屋に現れたのは黒服を着た丸刈りのいかつい中年男性スタッフ。同意書にサインをさせられ本人確認書類(保険証)の写メを撮られると、ようやくマスクをした女性セラピストが部屋に入ってきた。

 ここまできっちり手続きを踏むと、多くの男性はやましい気持ちなど萎えるもので、恐らくは健全店なのだろう。

 今回、施術をしてくれるのは美和さん(仮名・30代)。見た目は若く黒髪で色白。愛想は良くないが、ハキハキしゃべるタイプだ。

 オイルマッサージ(無香料)を頼んでさっそく施術開始。腕前はなかなかのもので、この業界で5~6年程度は働いているという。

 本題の新井浩文逮捕の件について触れると、美和さんは歯切れ悪く、次のように答えた。

「アレ(逮捕)はしょうがない。やっちゃいけないことをしたんだから。こっちは仕事を一生懸命やってるのにさぁ……」

 実際、性的サービスを求めてくる男性客は多いという。

「普通に嫌な思いをしている女のコはいる。こういう業態なので風俗と勘違いした客もくるし、なかには(自慰行為を見せるなど)変態もいる。『ここはそういう店じゃないの?』と聞かれると、はっきり『違いますよ』と言うけど」

 そういった場合、セラピストの怒りの矛先は店にも向けられる。

「変な客に当たったら店に『そういう客も受け入れるんですか?』と私は言う。そういうのを一回でも入れちゃうと、次に店に来たときも、その客は同じことをするから。それって働いている従業員の気持ちを全然考えてないと思う」

 こう聞くと、セラピストは危険と隣り合わせの割に合わない仕事に思えるが、そもそもなぜ彼女たちは派遣型で働くのだろうか。店舗型で働けば、男性スタッフもいるし、“ヤバい客”から乱暴されるリスクを軽減できるはずだが……。

◆なぜ派遣マッサージ店で働くのか?

 昼間は歯科衛生士として働き、夜は週1~2日、派遣マッサージ店で働く業界歴3年の彩香さん(仮名・20代)はこう語る。

「最初は店舗型で働いていましたが、酔っぱらいのお客さんが多かったので1年半前から派遣型で働くようになりました。店舗の場合は部屋の掃除や電話応対など雑用もあって大変なのに、派遣よりもお給料が安く嫌気がさして……」

 店舗型と派遣型ではどのくらい給料が違ってくるのだろうか。

「ウチの店の場合だと、90分1万5000円の料金のうち、取り分は『セラピスト6対店4』(指名料やオプション代は全額セラピストがもらえる)ですが、店舗では4割しか私に入りませんでした。大体どこも同じような相場だと思います。だから店舗型から派遣型に流れるセラピストが多いんです」

 彩香さんが働く店でも、基本的に裏オプの存在が明るみに出ることはないという。

「ウチは店長が厳しいから裏オプは無理だと思います。ネットに『この女はヤレた』とか投稿されると困りますから。裏オプを求めてくる人はいるけど、断れば大抵諦めてくれます。でもなかには、ヌキの交渉を断ったらいきなり自慰を見せられたってコもいますけどね」

 これらのセラピストの証言を踏まえた上で、某大手マッサージ店に話を聞いてみると……。

「ウチでは性的なサービスは一切やっていません。必ず最初に同意書に署名していただいています。派遣先はシティホテルやお客さまの自宅で、ラブホテルやブティックホテルには派遣しません。新井さんの事件以来、『むちゃなことをすると捕まる』という認識がお客さまの間でも広がっているので、女性は安心して働けているようです」

 同店に給与体系なども確認したが、彩香さんに聞いた内容と同程度だった。

 しかし、マッサージ店の多くは、ホームページ上でセラピストの写真を煽情的に掲載していることも事実。ある意味、男性客がセラピストに対して多少なりとも性的なものを連想するのも疑いのない事実だ。実際、前出の店も胸元が開いた制服を採用しており、それについて質すと「着替えの手間や負担がなくて(女のコには)いいでしょう?」と言う。

◆健全店を装った本番アリの違法店も

 一方で、普段からマッサージ店に足繁く通っているある男性客は、健全店を装ったいわゆる“ヌキ店”は普通に存在するという。

「健全店を謳っている店の中には、初見客でもヌイてくれたり、『2回目ルール』(2回目の来店から手コキなどを受けられる)を採用しているところもあります。お店選びさえ間違えなければ、簡単に“アタリのコ”を引くことが可能。実際、風俗よりもエステで働いているコのほうが断然かわいいんです」

 同様に、『裏オプ~JKビジネスを天国と呼ぶ“女子高生”12人の生告白』(大洋図書)の著者で、風俗に詳しいライターの高木瑞穂氏も業界の裏側をこう解説する。

「聞き取りによるのですが、派遣は5割、店舗は3割くらいの割合で裏オプはあります。女性に自慰を見てもらえるということであれば8割はあるでしょう。自慰は基本的に無料、手コキで3000~5000円、フェラや本番は1万円からが相場です」

 一見、健全なマッサージ店でも風俗店や“違法店”の隠れみのになっているケースもあるという。

「デリヘル店の中には、同じ従業員女性を使って派遣マッサージを営む“二毛作”形態の店があります。その場合は、手コキが基本で、裏オプでフェラや本番とエスカレートしていくようです」

 取材を進めていくなかで、表向きは健全店を装いつつも裏では性的サービスを行っている“違法店”の店長に話を聞くことができた。

「ウチの店では、原則、女のコには『ヌキはナシ』と伝えています。店に在籍しているコのなかには、有資格者として誇りを持ってマッサージをしている人もいますからね。ただ、ウチもそうですが、ホームページに『性的サービスは行っていません』なんて書いてる店はほとんど建前だけだと思いますよ」

 事実、この店長はセラピストに性的サービスのレクチャーなども行っているという。

「もしお客さんに『ちょっと舐めてよ』『ヤラせてよ』と要求されてどうしようもないときは、『一回イカせれば気が済むから、なんとか早くイカせろ』と伝えています。すぐ終わるハンドテクなど、そういう“危機管理”を知っておくことも大事なんです」

 こうした性的サービスを多くの女性が拒絶するのかと思いきや、そうとも限らないようなのだ。

「ウチの店には、昼間は普通のOLで、夜だけバイトしに来ているコもいます。まったく未経験でも、『意外と平気~』『ちょろいっす!』みたいな感じで慣れていくコも多い。裏オプでガッポリ稼いですぐやめるコもいます」

 マッサージ=性的な店、と考える人は多いが、そこで強要、裏オプなどを受ければ違法となる可能性もあることを忘れてはならない。

<取材・文/週刊SPA!編集部 協力/清談社>

― 派遣型マッサージ嬢の怒り ―

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