ユニクロのTシャツは買い?「買っちゃいけないUT/買うべきUT」

日刊SPA! / 2019年3月20日 8時54分

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<<買っちゃダメ!!>>酒蔵(SAKAGURA)グラフィックT(天狗舞・半袖) 1500円(+税)

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第220回目をよろしくお願いします。

 今回は毎年人気のユニクロTシャツブランドUTシリーズ! 大量に用意されたTシャツバリエーションの中から「買っていいもの」「買っちゃダメなもの」「惜しいもの」を紹介していきます!

◆▼<<買っちゃダメ!!>>服は「イメージ」でも評価されるもの

・The Brands Masterpiece グラフィックT(MONO・半袖) 990円(+税)

 胸にドカンと見慣れた消しゴムが鎮座する謎Tシャツ。間違ってもこれをおしゃれ目線で選ぶ人はいないでしょうが、万に一つもあると思いますので警告しておきます。これはネタTシャツであって、おしゃれ目線で使うものではありません。

 服には「イメージ」というものがあります。例えば、どんなに上手にコーディネートしてもノースリーブのGジャンは「スギちゃん」と言われるし、どんなに上手にコーディネートしてもピンクのベストは「春日」と言われるでしょう。もちろん、そんなイメージを吹き飛ばすほどのイケメンなら関係もないでしょうが、多くの人はこうしたイメージに引っ張られ「おしゃれかどうか」であるよりも「スギちゃんみたい」という評価を受けてしまいます。

 この消しゴムなどはまさにその典型。小学生のときに誰もが目にしたことのあるMONO消しゴム。「懐かしい」と言われることはあっても「おしゃれだね」とはなかなか言われないでしょう。ネタとしてならともかく「なんか逆にこれおしゃれなんじゃね?」と判断を誤ってはいけません。

 それにしてもネタTにしては(ネタTだからこそ?)よくできている。デザインはよく見ると、消しゴム部分がプリントになっており、カバー部分が別布となっている立体的な仕様。凝った作りで素材も良質、990円と値段も手頃、だからこそのデザインの残念感が惜しい。

◆▼<<惜しい!!>>色数と色彩と面積に気をつけよう

・The Brands Masterpiece グラフィックT(キューピーマヨネーズ・半袖) 990円(+税)

 上記の通り、おしゃれは「イメージ」で評価されてしまうことが多々あります。そのため「あまりにも知られすぎてるモチーフ」などは慎重に使わないと大失敗することが多い。こちらはキューピーマヨネーズを使ったプリントTシャツ。そもそもなぜマヨネーズのデザインをTシャツに起こそうと企画したのかはさておいて、これが実はなかなかいい仕事をしています。

 キューピーマヨネーズといえばキューピーちゃんが真っ先に思い浮かぶのですが、さすがのユニクロデザイン企画部も「キューピープリントはちゃうやろ……」と判断したのでしょう。マヨネーズにプリントされている編みかけ状のブランドデザインをTシャツに乗せ、まるでパネルボーダーデザインのように洒落た印象に仕上げたのがこちら。これだけだったら買いだったのに……!!

 プリントTシャツの印象は「色彩」と「色数」と「プリントの面積」で決定されます。色彩は強いほど、色数は多いほど、面積は広いほど子供っぽく、やんちゃな印象になります。この色彩と色数と面積をいかにほどよく抑えるかが大人がプリントTを選ぶときの指針となるのです。

 今回のような目立つ「赤色」といった強い色彩でも、こうして一部分に止めることで、また色数を増やさないことで落ち着いた大人な印象をつくることができるもの。やんちゃな印象のTシャツにならずに洒落た雰囲気を作れます。

 しかし、このTシャツ、残念なことに小さくマヨネーズの容器マークとキューピーマーク乗っている。これがなければイメージも偏らずにバッチリだったのに……!

◆▼<<買うべき!!>>音楽関連のロゴはなぜかクールに感じる不思議

・The Brands Masterpiece グラフィックT(TDK・半袖) 990円(+税)

 これも前記のキューピーマヨネーズと同じようなグラフィックデザイン。伸ばしたカセットテープをボーダー柄のように見せて洒落た印象に。こちらはプリントの面積は広いものの色数は少なく、また色彩は赤や緑などでなく黒といった落ち着いたものを使っています。そのため面積が広くても、あまりやんちゃな印象にならずに済んでいるナイスなデザイン。

「TDK」と見慣れたブランドロゴが入ってしまっていますが、音楽関連のブランドロゴはなぜか洒落て感じるもの。「キューピーマヨネーズのTシャツ」には抵抗感がありますが「TDKのTシャツ」は好印象があります。ブランドロゴ自体も目立つものではないし、これならアリでしょう。

◆▼<<買っちゃダメ!!>>インバウンド需要のTシャツを日本人が選ぶことはない

・酒蔵(SAKAGURA)グラフィックT(天狗舞・半袖) 1500円(+税)

 先日、ローンチされたユニクロの「酒蔵シリーズ」。親戚に酒蔵を持つ私にとって興味のあるシリーズではありますが、どうやらこちら外国人のお土産・インバウンド需要を見越した提案の模様。まあそりゃ「天狗舞!」ってデッカくプリントされたTシャツを日本人で「おしゃれに着よう」という人はいないか……。

 着用写真も外国人モデルを起用し、謎に気合の入ったこちらのシリーズ。肉感のある素材もいいのでネタTとしては十分な出来ですが、おしゃれに着るのは難しい。

◆▼<<買うべき!!>>インナーにすると無地、一枚で着るとデザインT

・スーパージオメトリックグラフィックT(ドゥーセン・ドゥーセン・半袖) 1500円(+税)

 先ほど書いた通り色彩も弱く、面積も小さく、色数も少ないベストバランスなTシャツ。よくあるポケットTシャツではあるのですが、無地ではなくグラフィックを入れてあるのが肝。無地Tシャツではちょっと地味、何かデザインがほしい、そんな人におすすめです。

 また、こうしたポケットTシャツの場合、今の時期インナーとして使うとジャケットやカーディガンなど羽織に隠れて無地カットソーとして着まわしやすく使えるもの。前面に大きくグラフィックを入れてしまうと、柄が目立ってしまいインナー使いしにくいデメリットがあります。これならインナー使いとしては無地カットソーとして着まわしやすく、夏一枚で着る際にはポイントのデザインがあり地味になりにくい、と便利。今から買っておくならこんなデザインTシャツがおすすめです。

 UTは毎年、好評なのかどんどんラインナップが増えてきています。今では全商品一覧をPCで閲覧しようとすると、あまりの量で読みこみに時間がかかるほど。これだけ多くのラインアップを抱えているのだからユニクロはそろそろUTに「シルエット」や「素材」などのバリエーションをもっと用意すればいいのではないでしょうか。

 プリントで選ぶという平面的なモノの提案だけでなく、シルエットで選ぶという立体的なモノの提案までしてくれると洋服好きとしてはありがたい。品質もデザインも優れたものが多いからこそ、画一的な提案がとても残念です。来年こそ期待しています!

【MB】

ファッションバイヤー。メンズファッションの底上げを図るべく各メディアで執筆中。“買って着て書いて”一人三役をこなす。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」。初の著書『最速でおしゃれに見せる方法』はベストセラーに。最新刊『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』が発売中!

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