住宅ローンが返せなくなったら…どうすればいい?

日刊SPA! / 2019年3月21日 8時30分

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◆住宅ローン&借金に悩んだらどのような道を選ぶべき?

「住宅ローン返済のために、ほかで借金をして自転車操業になっている人は、まず借り換えや任意売却で住宅ローン問題の解決を図るべき」

 そう述べるのは、任意売却支援機構の富永順三氏だ。代表を務める「任意売却119番」には年間5000人以上が相談し、その数は年々増え続けているという。そして、相談者には住宅ローン以外にも借金をしている“ダブルローン”の人が多いのだとか。

「住宅ローンは固定費としては最も高額なため、収入減やリストラ、倒産などさまざまな理由により、真っ先に返済が滞ってしまう人が多い。そうした場合、金融機関と話し合って2、3年間、毎月の金利だけを支払うリスケ交渉を行うこともできますが、元本が減らないため、結局は延命措置にすぎません。

また、住宅ローンを一度でも滞納すると金利が跳ね上がる金融機関もあるため、どんどん支払いが厳しくなっていくことも。それを補てんするためにさらに借金を重ねる人をたくさん見てきました。住宅ローンの返済をほかから借金して行っている時点でかなりまずい状態だと言えるでしょう」

 そうなる前に、果たしてどんな手段が有効なのか?

「まずは、住宅ローンの借り換えの検討です。変動金利で借り入れを行っている方は『金利が下がっているから、自分の変動金利も自動的に下がっているんだろう』と思いがちですが、実際には金融機関はすでに住宅ローンを借りている人の金利をさほど下げていません。

今は住宅ローンが過去に類を見ない低金利状態ですが、この恩恵を受けるためには他行で借り換えをしなければならない。借り換えを行うだけで総返済額が数十万円~数百万円減ることはザラで、毎月の返済額が2万円以上軽減される場合もあります」

◆家を売るなら任意売却 自己破産は最後の手段

 それでも返済が厳しいときは、もはや家を売却するしかない。

「返済が6か月以上滞ると強制的に一括返済となり、ほとんどの場合は家を売却することになります。選択肢は『競売』か『任意売却』ですが、ここは任意売却がいい。競売は相場の半額程度で買い叩かれる可能性があるのに対し、任意売却は相場の80~90%で売却できるため、残債を減らすチャンスです。

競売と任意売却は自由に選べるのですが、実際には任意売却の存在を知らずに金融機関が促すままに競売を選んでしまう人が多い。また、任意売却を選ぶには期限もあり、現実的には入札開始の知らせが金融機関から来る前までの申し込みが必要です」

 また、任意売却なら売却にかかる諸費用や売却後の引っ越し代に関しても、金融機関が売り上げから補てんしてくれるケースがあるという。ときには売却後の引っ越し費用を20万~30万円も認めてくれる場合もあるそうだ。さらに、金融機関と残債について併せて交渉することもできるという。

「場合によっては残債の支払いは月額5000~1万円だけでいいというケースや、仮に1000万円以上残債があっても、一括返済なら10分の1の100万円だけ支払えばいいというケースまであります。ものは試しなのです」

 ただ、住宅ローンの残債を減らせたとしても、まだその他の借金という問題は残る。任意売却以前に住宅ローンの返済を延滞していれば俗にいう「ブラックリスト」には載っている状態なので、この際、ほかの借金も債務整理してしまうのもアリだろう。

 では、“最終手段の踏み倒し策”として自己破産を考えなくてはいけないのはどんな場合なのか?

「あくまで自己判断に委ねますが、自己破産ラインとしてはいろいろ手を尽くしてもなお数千万円から億単位の負債が残ったときです。それ以外は自己破産しないのが無難で、地道に返済、交渉を続けることをオススメします。自己破産は以後数十年間はローンが組めなくなったり、預貯金が99万円以上ある場合はお金を明け渡さなければならないなど、やはりデメリットが多いですから」

 この世の中に踏み倒しなど都合のいい策はやはり存在しないのだ。

《ダブルローンの心得3か条》

1 住宅ローン返済のために借金をする時点でアウト

2 借り換えで毎月の返済額がいくら減らせるか確認

3 任意売却で残ったローンの大幅減額交渉も可能

【富永順三氏】

「任意売却119番」代表。大阪市立大学・大学院卒。「経済産業大臣賞」受賞経験を持ち、セミナー、講演会等、住宅ローン支援に尽力している

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