GW10連休ヒマな人にオススメしたい関ヶ原ドライブの旅

日刊SPA! / 2019年4月20日 8時30分

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南宮山に登ってみよう!

― 男のドライブ旅 古戦場巡り関ヶ原編 全3回 ―

◆第2回 そうだ、南宮山に登って毛利秀元の気分を味わってみよう!

 関ヶ原合戦に対する歴史論争を、身をもって体感すべくパサートTDI(ディーゼル)で関ヶ原古戦場へと向かった、モテないカーマニア軍団(おじさん3名)。東京から400km走っても、後続可能距離はまだ1000km以上と表示されている。恐るべし。このまま給油せずに、軽く東京まで戻れそうだ。節約である。

 我々が最初に目指すのは、西軍総大将・毛利輝元の養子・毛利秀元が陣を置いた南宮山(なんぐうさん)だ。

 毛利秀元・安国寺恵瓊・吉川広家の毛利三将は、計1万ほどの兵を率いて、大垣城の西約10km、標高419mの南宮山一帯に布陣した。しかし9月15日の決戦時に動かず、これが西軍敗北の主因となった。なにしろ南宮山は、関ヶ原盆地への入口にある。毛利軍が動けば東軍は袋のネズミ。包囲される形になったはず。その南宮山に登り、毛利秀元の気分を味わってみよう!

◆南宮山頂上には西軍敗北のキーマン毛利秀元の陣跡が!

 名神高速から東海環状道に乗り換え、大垣西インターで降りる。このあたりは濃尾平野の西北端。広々とした平野の北と西は、屏風の如く山々が遮っている。その一番手前にある山が南宮山だ。

 まずは南宮大社に参拝。創建は第10代崇神天皇の御代というから恐ろしく古い。もちろん関ヶ原の合戦時にも存在したが、その際に社殿は焼失したという。しみじみ。

 社殿の脇から、南宮山へのハイキングコースがある。これこそが、毛利秀元陣跡へと続く登山道だ。

 鳥居のトンネルを抜けて少し歩くと、池の傍らに安国寺恵瓊の陣跡が現れた。恵瓊は毛利家の参謀的な外交僧で、毛利輝元を西軍総大将に担ぎ上げた中心人物。それだけに、合戦後は石田三成、小西行長とともに六条河原で斬首、さらし首となっている。

 そこから先はひたすら森の中の登山道だ。おじさん3名ヒーヒー言いながら進むこと約50分。いきなり視界が開けた。毛利秀元陣跡(本陣)である。

◆袋のネズミは自分だった!? 毛利秀元になりきってわかったこと

 ポジションは、南宮山の南東斜面の頂上近く。石田三成は、その様子を「有事には人数の上り下りもできない程の山」と嘆いたというが、確かにこれからいくさをしようというより、籠城に近いのを実感する。

 毛利軍は1万ほど。それに対して東軍は、9月14日に到着した家康本隊を加えると、7万前後になっていた。大垣城内に籠る西軍もせいぜい2万余り。いくさ慣れしていない奉行集(三成含む)のまずい作戦指揮により、西軍は圧倒的に不利な状況になっていた! 毛利秀元は、当時満21歳と若いながらに朝鮮の役でも活躍した武将で、関ヶ原合戦後は大坂城で徹底抗戦を主張したというが、眼下の平野が徐々に東軍の大軍勢で埋まるのを見れば、山を下りる気も削がれたことだろう。

 この場所からは、大垣城の西軍や、それを包囲した東軍はよく見えただろうが、関ヶ原盆地は山の反対側にあり、まったく見えない。開戦後、三成は毛利軍に参戦を促すため、何度も烽火を上げたというが、少なくともこの場所からは、関ヶ原で何があってもまったくわからない。あくまでここは、大垣城に対応した後詰めの陣なのを肌で感じる。

◆西軍敗戦の真のキーマン吉川広家の陣跡も!

 実は毛利軍は、先鋒の重臣・吉川広家が「内府(家康)に敵うはずなし」と考え、決選前日に独断で事実上の降伏をしていた。それを知らない毛利秀元や安国寺恵瓊は、合戦当日、しきりと吉川広家に参戦を促したという。しかし先鋒の広家が動かないため動くに動けず。秀元は督戦の使者に、「いま弁当を食っているから」と言い逃れ続けたという。それが通説のエピソード「宰相(さいしょう)殿の空(から)弁当」である。

 ただ、いかに吉川広家が降伏していたとはいえ、約束など簡単に反故になるのが戦国の世。家康はこの敵陣を捨て置いて奥に進むだろうか?

 家康本隊は南宮山手前で停止して、合戦中も毛利軍を牽制し続けたと主張する説が新説の中にあるが、実際に南宮山に登ってみると、その説に一理ありという気がしてくる。つまり、西軍本隊を追って関ヶ原方面へ向かったのは、福島正則や黒田長政ら、豊臣恩顧の猛将たちのみだった(ような気がする。次回へ続く)。

取材・文/清水草一 写真/池之平昌信

【清水草一】

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

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